授業でのICT活用

【教育情報化最前線】教職員用タブレット端末の配布をきっかけに活用が広がる 矢板市立東小学校

デジタル教科書を使いたい教員が、タブレット端末に手を伸ばす

矢板市立東小学校 教諭 西脇 正智 様

矢板市のモデル校である本校には、2018年8月にコンピュータ教室のノートPCを児童用タブレット端末に置き換える形で整備が行われました。タブレット端末活用調査研究会のメンバーとして、整備後すぐにタブレット端末を活用した研究授業に取り組みました。けれども、そのときはノートPCがタブレット端末に置き換わっただけという印象で、私たちは、新しいICT環境による変化を感じてはいませんでした。

変化を強く感じたのは、教職員用タブレット端末が教職員1人ひとりに配付されたタイミングです。多くの先生が、タブレット端末から使用できる指導者用デジタル教科書に魅力を感じ、教職員用タブレット端末に手を伸ばしました。あわせて、タブレット端末を教室に持っていくだけで簡単に授業準備が完了できるという「手軽さ」も先生方に受け、徐々に活用が広がっていきました。

今では、ほとんどの教員が『SKYMENU Class』の[投影]機能でデジタル教科書や教材を提示したり、[マーキング]で書き込んだりしながら授業を展開しています。

気づきや疑問を話し合い、[マッピング]でまとめる

5年理科「ヒトのたんじょう」の単元で、「発表ノート」の[マッピング]機能を活用しました。1グループにタブレット端末を1台配付し、人間の赤ちゃんの写真を見て、気づいたことや疑問に思ったことを話し合い、[マッピング]にまとめていきました。

【写真1】 タブレット端末を囲み、グループで[マッピング]

子どもたちは【写真1】のようにタブレット端末を囲んで、積極的に学習に取り組みました。こうした姿は、タブレット端末そのものに対する興味関心もあると思いますが、私は手で書いた文字を素早く認識して文字に変換してくれる「発表ノート」の[手書き認識]機能の存在も大きかったと感じています。この仕組みによって、個々のキーボードの入力スキルの差に左右されることなく、全員が学習に参加して自分の考えを表現することができました。

モノや人を動かさなくても、素早く共有できる[みんなの作品]

単元の終末では、学んだことや感じたことを1人ひとりワークシートにまとめさせました。その内容を学級全体で共有したいと考え、画像やファイルを学級全体で閲覧できる[みんなの作品]機能を活用しました。[みんなの作品]への公開は簡単で、画像ビューア上の[作品フォルダで公開]のボタンを押すだけです。加えて『SKYMENU Class』の画像ビューアには、ボタン一つで文字を見やすく表示できる機能があるので、児童たちはタブレット端末画面上で全員の感想をしっかりと読むことができました【写真2、3】。モノや人を動かさなくても、タブレット端末一つで素早く情報を共有できるのが「みんなの作品」の良さだと思います。

【写真2、3】[みんなの作品]の画面で、全員のワークシートを閲覧

また、公開された作品ごとにカードでコメントを添えられるので、相互評価を行いました【写真4】。一覧画面には、各作品に何枚のカードが入ったのかが表示されるので、カードの数に隔たりがあれば、満遍なくコメントを入れるように指示できました。手書き入力をはじめ、画像の文字を見やすくする、カードの枚数を表示するといった仕組みは、非常に細かな配慮でできた機能だと思います。『SKYMENU Class』は、教員の要望に配慮して作り込まれているソフトウェアだと感じています。

【写真4】閲覧した作品には、カードでコメントを添えられる

(2019年7月取材/2019年11月掲載)