研究会・セミナー

第5回 全国高等学校情報教育研究会 全国大会(千葉大会)

全国の高等学校教科「情報」の先生方で組織される「全国高等学校情報教育研究会」は、このほど、東京情報大学で「第5回全国高等学校情報教育研究会全国大会(千葉大会)」を開催されました。全国から約300名の先生方が参加され、講演やワークショップ、ポスターセッション、実践発表などが行われました。

50件以上の教科「情報」の実践報告

全国高等学校情報教育研究会は平成20年に結成され、毎年全国大会を開催されている。今年度で5回目を迎え、千葉大会では、2つの講演とワークショップ、23件のポスターセッション、30件以上の分科会発表が行われた。また、新たな試みとして全国の専門学科「情報科」設置校による生徒実習作品などの展示も催された。

開会挨拶では、下條隆史・全国高等学校情報教育研究会会長/東京都立立川高等学校長が平成25年度からの新学習指導要領全面実施に触れ「新しいステージの始まりとともに、次の学習指導要領改訂を見据えて、『情報教育の未来』をデザインする時期に差し掛かった。今日集った先生方と未来を見据えて積極的な活動を展開したい」と今大会への思いを寄せられた。

他教科と連携した情報教育の取組も

ワークショップ「『プログラムによる計測・制御』の授業」は、稲川孝司・大阪府立東百舌鳥高等学校教諭が担当された。中学校技術家庭科の「プログラムによる計測・制御」において、計測に焦点をあて、コンピュータを使って温度や照度などを測定し、その瞬間の温度や照度とともに継続して測定した時間的変化や特性を見つけて、そこから制御する方法を考えさせ、プログラムを作成する授業を紹介された。

ポスターセッションでは、新学習指導要領を意識した授業展開をはじめ、映像制作の実践、数学科との連携した授業事例、さまざまな教材のアイディアなどが紹介された。

情報端末1人1台活用の先進事例も

分科会発表は「情報の科学」「共通教科『情報』の研究」「社会と情報」「専門教科『情報』」「問題解決の取組」の5つの分科会に分かれて行われた。

永野 直・千葉県立袖ヶ浦高等学校教諭は、入学時に生徒にiPadの購入を義務化されている同校情報コミュニケーション科の先進的な取り組みを紹介された。授業中に生徒から発言や質問、感想などが多く出るようになり、積極性や主体性の向上や情報モラルの意識に変化がみられたことなどを報告された。

会場の先生方は先進的な事例報告に熱心に耳を傾けられ、活発な質疑が交された。

(2012年11月掲載)