ICT活用教育のヒント

オンライン学習を持続的に取り組むためのポイント 「データ通信容量」や「帯域幅」など、各家庭の通信環境への配慮が必要

各家庭の通信ネットワーク環境の差が、オンライン学習の実現の壁に

長期の臨時休業において、児童生徒の「学びを止めない」ために、児童生徒1人1台端末やWeb会議システムを活用したオンライン学習の実現が期待されています。しかしながら、オンライン学習の実現には、さまざまな課題があります。

その課題の一つに「通信ネットワーク環境」があります。例えば、GIGAスクール構想で学校に整備される通信ネットワーク環境は、校内無線LANだけではありません。1人あたり1か月3GB、5GBというように、データ通信容量に制限のあるLTE回線を採用する自治体や学校があります。

そして、児童生徒の各家庭の通信ネットワーク環境はさらに多様で、1戸建てで快適にインターネットを利用できる家庭から、集合住宅で一つの光回線を複数の世帯で共有する家庭、家族のスマートフォンやタブレット端末のLTE回線しかない家庭、それから、そもそも通信ネットワーク環境がないという家庭もあります。こうした通信環境の問題は、学校や一個人レベルでの解決が難しい問題ですから、国や自治体による早急な支援が望まれます。

非定額の通信契約では、オンライン学習の機会が限られる場合も

一般的にWeb会議システムは、1時間で300~500MBのデータ量が必要といわれています(映像、音声含む)。これは1か月のデータ通信容量が3GBのLTE回線を契約している家庭であれば、オンライン学習に月10回も参加できないという計算になります。加えて、集合住宅やLTE回線の電波が弱い場所に住む家庭では、Web会議システムが使用する帯域幅の大きさから動画や音声が不安定になり、「オンライン学習に十分に参加できない」という場合もあります。

こうしたことから、ICTを活用した学習を持続的に実施し、かつ児童生徒の教育機会均等を保障するためには、「データ通信容量」や使用する「帯域幅」をできる限り小さくすることが望ましいといえます。

軽量な動画教材の作成、配付で、質の高い学びを持続的に展開

「5分で約2MB」軽量な動画教材でより質の高い学びを届ける

学校の臨時休業時、オンラインでの学習支援の実現には、通信ネットワーク環境をはじめ、さまざまな課題があります。それでも『より質の高い学びを子どもたちに届けたい』というのが先生方の想いだと思います。その方法の一つにゼッタリンクス株式会社の「ThinkBoard Contents Creator(以下、ThinkBoard)」の活用があります。

「ThinkBoard」は、タブレット端末やマイク、ヘッドセットを使って、動画教材を簡単に作成できるソフトウェアです。動画は、「5分で約2MB」と非常に小さなデータ容量に収まるので、Web会議システムに比べて、より多くの教材を児童生徒に届けられます。

「学年」「組」を指定して、動画教材を配付。著作権やデータ通信容量に配慮

作成した動画教材は、著作権に配慮しながら、児童生徒が視聴しやすい方法で配付、共有する必要があります。そこでお役立ていただけるのが『SKYMENU Cloud』の「教材・作品」です。閲覧させたい「学年」「組」の児童生徒を指定して、さまざまなアプリケーションのファイルを簡単に配付、共有できます。データ通信が発生するのは、ファイルをダウンロードするタイミングなので、通信環境に合わせて活用いただけます。今回ご紹介した「ThinkBoard」や『SKYMENU Cloud』を、より質の高い学びを持続的に届けていただくために、ぜひご活用ください。

(2020年7月掲載)