![天気図を基に、全国4地点の翌日の天気を天気予報士のように予報した。各班の予報を[画像合成]機能で重ねて比較することで、差異点に注目して話し合えた](image/76/img01.jpg)
本時のねらい |
大気の動きについて、これまでに習得したことを活用する場面である。気象通報を聞き、天気図を仕上げ、前線の通過に伴う天気の変化など既知の根拠に基づいて、明日の天気を考察する。日本列島全体の大気の動きを総合して考え、天気の変化を暖気、寒気と関連付けて理解できるようになる。 |
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授業の実際 |
これまで生徒は[発表ノート]を使って意見をまとめたり、見やすい資料のつくり方について考えたりして、授業でプレゼンテーションを行ってきた。 事前準備として、タブレット端末と[画像合成]機能を用いて、班別活動が充実するようなツールを作成した。あらかじめスライドを教師が準備しておくことで、授業時間に生徒が取組むべき課題に集中することができた。また、班で意見をまとめ、[画像合成]した際に作成した天気予報にどのような根拠があるかをクラス全体で比較し、検討することができた。この実習によって、前線と気圧の観点における知識を活用し、普段の生活における素朴概念を深い学びにつなげていくことを期待する。 |
単元計画(全22時間) | |||
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第1章 |
空気中の水の変化(7時間) |
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第2章 |
天気の変化と大気の動き(9時間:本時6,7/9) |
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第3章 |
大気の動きと日本の四季(5時間)、力だめし(1時間) |
本時の展開
学習の流れ | 主な学習活動 | 指導のポイント (タブレット端末活用場面) |
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第6時 | 前時の課題の内容について確認する | 天気図の書き方や、予報したい日の前日の天気図を全体で共通理解しておく。 | ![]() |
ジグソー法におけるホーム班で知りたいことを整理する | 班で北海道、東京、大阪、沖縄の担当を決め、今ある天気図から、次の日の予報を考える。 | ![]() |
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プロフェッショナル班になり、ホーム班の課題について共有し解決していく | 北海道、東京、大阪、沖縄の班ごとで地点の特色や天気図を見直し、話し合う。 | ||
ホーム班に戻り、各地域の予報を決める | 各地点の9マスの枠に、各班の予想天気を入れていく。 | ![]() |
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第7時 | クラス全体で、全班の意見を共有する | 合成された天気予報を見比べて、同じところや違いを比較する。 | ![]() |
全班で発表し、既知の知識を活用できているかを吟味 | 全班が発表し、クラス全員が対話する。 | ![]() |
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全体のまとめ |
インターネット上の引用したいWebページは、[画面保存]のボタンで簡単にスクリーンショットを撮ることができる。その画像を[発表ノート]に貼り付けて、提示用のスライド教材を作成した。[トリミング]や[拡大]などが簡単にできるので、見やすい資料を作成できた。文字を入力してタイトルをつけたり、さまざまに色を変えてポイントを書き込んだりできるので、生徒に見やすいスライドを簡単に作ることができる。
教員機で、事前に思考ツールを作成した。ExcelやPowerPointで作成した図形や表を図(拡張子:jpg)として保存しておけば、[発表ノート]の中に簡単に貼り付けられる。加えて、トリミング・拡大などをした後に[背景化]することで、その画像の編集を防ぎ、保護することもできる。これにより生徒が書いたり、消したりして考えやすくなる。
生徒は、配付された思考ツールに、「晴れ」「雨」「曇り」のスタンプを貼り付け、班の資料を完成させた。
学習者機で配付された思考ツールを編集して「提出」ボタンを押すと、教員機の画面上で提出されたすべてのスライドが重なり合って表示される(画像合成)。すべての班の予報を合成して表示させた。合成されたスライドは、透過度を調整すれば1枚ずつ投影できるので、各班で考えを交流する場面では、発表する班のスライドだけを表示させた。焦点化された、わかりやすい発表ができた。
[画像合成]機能は、教師が意図して教材を作ることで、意見を比較する場面で便利な思考ツールになる
[発表ノート]の[画像合成]機能は、配付資料を教師が意図をもって作っておくことで、各班の意見を比較するのに非常に便利な思考ツールになる。
理科だけでなく、どの教科でも使える優れた機能であり、本時のように、提示したときに学級で驚きを共有することができる。また画面がスライドショーのように切り替わるのではなく、一つひとつの資料を透過して見比べることができるので、視覚的な理解を促すことができる。
(2020年3月掲載)