
単元の目標 |
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友達と話し合いマップを制作する活動を通して自分や友達の考えを大切にしながら関わる力や、情報を収集しより適したものを選択する力を高めると共に、6年生として卒業までの時間の中で自分にできることを考えようとする。 |
単元の評価基準 | |||
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情報を収集・整理・選択する力 | 友達と関わり合う力 | 表現する力 | 自分を見つめ生き方を考える力 |
課題に適した情報を収集し、意図に応じて選択することができる。 | 友達の考えを理解して聞き、付け足したり関連付けたりしながら自分の考えを深めることができる。 | 自分の意図を伝える際には、相手を意識して自分の考えがよく伝わる方法を選択して説明することができる。 | 自分の資質・能力や学習状況などを自覚し、自分ができることを考えることができる。 |
単元計画(全7時間) | |
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第1時 |
学習内容を知り、担当を決める |
第2時 |
谷戸マップに盛り込む素材を集める。マップを作る |
第3時 |
谷戸マップを作る(本時) |
第4時 |
班でコメントをし合い、マップを修正する |
第5時 |
本物と見比べ、ブラッシュアップする |
第6時 |
修正する |
第7時 |
相互に見合い、振り返りをする |
本時のねらい |
➀仲間とコミュニケーションを図り、意図を共有したり合意形成をしたりして協働して活動する。(友達と関わり合う力)
➁集めた情報を選択したり写真や囲い込み、矢印を使ったりするなど表現の仕方を工夫する。(情報を収集・整理・選択する力)
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授業の実際 |
本時では、授業の冒頭で前時の学習活動における成果と課題を確認し、見通しをもって活動できるようにした。また、「仲間との協働」を焦点に、互いの意図やイメージを確認し話し合いながらマップづくりを進めるように声掛けをした。 実際の児童の様子として、「ここは写真と実際の場所が離れているから、矢印をつかってみない?」や「マップに手書きで書いた方がわかりやすくない?」「文字の色を変えてみようよ」などのやりとりが活発に行われ、マップの完成に向けてより見やすく、そしてよりわかりやすく作ろうと頑張る児童の姿が多く見受けられた。中には意見が対立する班もあったが、納得するまで話し合ったり他の班に意見を聞いたりするなどの対処をしながら進めていた。本時の45分の中でほとんどの班がマップを作りあげることができた。 |
本時の展開
学習の流れ | 主な学習活動 | 指導のポイント
(タブレット端末活用場面) |
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1.学習の見通しをもつ | 自分達が行う行程を確認する。 | ・[発表ノート]で、マップの進み具合を確認。 |
2.マップの制作を進める | メンバーと話し合いながら、[発表ノート]のページに班で共有した情報を付け加えていく。 必要に応じて、書籍で調べたり、谷戸に行ったりして情報収集を行う。 |
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3.学習を振り返る | [発表ノート]をもとに、作ったマップを共有する。 |
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単元を通して児童の「協働」の力を高めたかったため、[発表ノート]の[グループワーク]機能を活用した。同じ班の児童が、「谷戸マップ」のページをリアルタイムに近い感覚で協働編集できるので、様々な進め方がうまれた。例えば、画面の左右により役割を分ける班、写真と説明で仕事を切り分ける班などである。また、互いのイメージや意図、役割交換に関すること、操作方法に至るまで多くの対話がうまれ、完成に向けて対話的に取り組むことができた。
「谷戸デジタルマップ」に載せる素材を図鑑やフィールドワークにより収集した。フィールドワークでは、谷戸が学校のすぐ裏にあるということもあり、どの班の児童も積極的にフィールドワークに出て素材を集めていた。この活動は、タブレット端末の持ち運びのしやすさが可能にしたものである。
実物や実際の場所があり、それを記録・編集する道具があることにより、学習活動が大きく変わる。地域素材を生かした授業の構築には、こうしたICT機器は欠かすことはできないだろう。
授業の終わりに個人の[発表ノート]を回収し、児童個々・班の成果を検証した。
そして振り返りとして、参考になる班のマップの紹介や課題点の提示を行い、全体共有を図った。活動をやりっぱなしにするのではなく、意図や視点を持って制作・修正・改善ができるようにするねらいがある。自由度が高く、児童がアクティブに動く授業こそ、「学び」として昇華させる技術や学びの視点が大切である。
『SKYMENU Class』は、リアルタイム性が高く、
“他者と協働せざるをえない”状況をつくることができる
今回は「谷戸マップ」の作成を行ったが、題材と白地図を変えるだけで多種多様なマップが作成可能である。単元や教師の意図、地域素材の実情を踏まえてデザインしたい。
『SKYMENU Class』は、リアルタイム性が高いため、対話を通して児童たちが自分達のイメージをつくり、共同して制作できる。つまり“他者と協働せざるをえない”状況をつくることができる。これは対話的な授業の実現において大切な要素であり、学習活動ソフトの便利さを再認識した。
(2018年12月掲載)