授業でのICT活用

先端技術産業研修の成果をまとめて情報発信しよう

タブレット端末40台は、図書室に整備し1人1台で使用している
本時のねらい

先端技術産業研修(地元企業14社の視察)のまとめとしてポスターを作成する。本時はポスターのコンセプトを各自で考え、その内容を班ごとにまとめ、ポスターの内容(項目)・構成・レイアウトなどを決定していく。

授業の実際

新たな取り組みとして『SKYMENU Class』の[発表ノート]の[マッピング]を活用し、ポスターに載せる内容を考えさせた。簡単に自分のアイデアを視覚的に表すことができるため、予想以上に生徒が意欲的に取り組むことができた。グループワークの場面においては、タブレット端末の画面で班員全員の[マッピング]を共有することができ、大変有効であった。しかし、話し合いに参加できない生徒もおり、スペースが少なく物理的な問題もあるが座席の位置等の配慮が必要である。班のまとめとして、ポスター作成プランニングシート(企画書)を活用したことは良かったと思うが、班によっては時間が足りず未完成に終わっていた。遅れている班を早めに見極めてサポートできるようにティームティーチングの役割分担を工夫する必要がある。

単元計画(全9時間)
第1時

ポスターのコンセプトを考える(企画書の作成)(本時)

第2~4時

ポスター作成

第5時

ポスターの評価とプレゼンテーションの計画を立てる

第6、7時

発表用原稿とスライドの作成

第8、9時

発表と評価

本時の展開

学習の流れ 主な学習活動 指導のポイント
(タブレット端末活用場面)
導入 問題提示「先端技術産業研修で学んだ内容を伝えるためのポスターのコンセプトを考えよう」とタブレット端末の使用法の説明を行う。(一斉学習) ・電子黒板を使って全体説明を行う。
・昨年の先輩の作品を例示する。
1[マッピング]の使い方を説明する。
展開1 [マッピング]を使って、各自でポスターに載せる内容を考える。(個別学習)
先端技術産業研修のときのメモと下調べの内容を参考にし、[マッピング]を使って視覚化して整理し、アイデアを考える。
・机間巡視をし、個別指導を行う。必要に応じて電子黒板を利用して全体に対して例示を行う。
・班長にポスター作成プランニングシート(企画書)を配付する。
展開2 各自で考えた[マッピング]をもとにしてポスターのコンセプトを班ごとにまとめる。(協働学習)
班長がリーダーシップをとり、ポスター作成プランニングシート(企画書)にまとめる。
2お互いのアイデアを共有してから、まとめるよう指示する。
教師は必要に応じて、個別指導や班別指導を行う。
まとめ 本時のまとめと次回の予定を確認する。 3各個人の[マッピング]データを提出させる。

タブレット端末活用のポイント(効果と児童生徒の反応)

個で概要を整理
マッピング

企業視察で得た情報を[マッピング]で整理し、視覚化

始める前に教師が、[マッピング]の使い方を具体的に説明した。先端技術産業研修のときに取ったメモと下調べの内容を参考にし、[マッピング]を使って視覚的に考えを整理し、アイデアを練った。

昨年は紙に書いていたが、なかなかまとめることができず苦労していた生徒が多かった。今年は大変意欲的に取り組むことができていた。

その要因として、タブレット端末の画面に直接入力することができ、移動や訂正が簡単にできるためだと考える。

グループで伝え合う
発表ノート

個の意見を班で共有してポスターの構成をまとめた

[マッピング]を利用して、各自のアイデアを共有し、まとめて行く。

班長がリーダーシップをとり、ポスター作成プランニングシート(企画書)にまとめる。[マッピング]の画面が見やすいため、発言の少ない生徒の考えも共有することができ、お互いのアイデアを把握した上で、班としてのまとめをすることができた。

次のポスター作成につなげる
個人フォルダ

動画を止め、[マーキング]で技のポイントを確かめた

ポスターの作成はコンピュータ教室のデスクトップ端末で行った。大きなディスプレイのほうが作りやすいためだ。

ポスターで利用する写真データ、インターネットから検索した企業情報等は、個人フォルダに格納することでコンピュータ教室でも図書室でも利用することができた。

図書室とコンピュータ教室でデータの相互利用

地球環境問題に関する個人テーマを決定するときや
論文のテーマを考えるときなどに[マッピング]を活用

先端技術産業研修の成果をまとめる場面の他にも、地球環境問題に関する個人テーマを決定するときや論文のテーマを考えるときなどに[マッピング]を活用している。以前は紙に書いてブレインストーミングやKJ法を行っていたが、タブレット端末を使って[マッピング]を行うと思っていた以上に生徒が意欲的に取り組むことができた。また、タブレット端末をグループ化することで、他の生徒の[マッピング]を観ることができ、生徒同士の意見交流、共有が進み考えが深まっていた。

(2018年11月掲載)