
本時のねらい | 「油分け算」を通して、筋道を立てて考える力を伸ばす。また、様々な体積の量り方を考え、友達と考えを交流することで、問題を多面的に見る力を育てる。 |
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授業の実際 |
本時で扱う「油分け算」は、江戸時代の初期に吉田光由が著した書物『塵劫記』に載っている。導入では、その話をしながら提示することで、児童に課題に対して関心をもたせた。 その後全体で課題に対して見通しをもたせた後、個人での課題解決に取り組ませた。その際、図や表、式や言葉を使って自分の考えを書くように促した。自分の考えが書けた児童は、タブレット端末で撮影し、考えを提出させるようにした。提出し終わった児童や考えが浮かばない児童には、提出済みの考えを見て、検討させた。 集団検討の中で、課題解決に対する多様な見方、考え方を共有した。課題に対して筋道を立てて解決していくことの大切さを振り返りとしてまとめた。 |
単元計画(全4時間) | |
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第1時 | ケーキ店の売り上げに関する複数のグラフや表の資料から必要な情報を読み取り、説明する。 |
第2時 | 油分けの問題を通して、筋道を立てて考えを伸ばす。(本時) |
第3時 | 牛乳パックの回収枚数に関する棒グラフを読み取り、割合のグラフに表す。 |
第4時 | 絵地図から必要な長さを読み取り、長方形や台形の性質を活用して公園の面積の求め方と考え、説明する。 |
本時の展開
学習の流れ | 主な学習活動 | 指導のポイント (タブレット端末活用場面) |
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学習課題を把握する | 1. 本時の課題である「油分け算」を確認する。 |
電子黒板および児童のタブレット端末に課題を提示する。 |
課題に対しての 見通しをもつ |
2. 課題解決の見通しを立てる。 |
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個人で思考する | 3. 2種類の容積の容器を用いた油の量り取り方を考える。 |
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全体で共有する | 4. 考えを全体で共有し、集団検討する。 |
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今日の学習を まとめる |
5. 学習を振り返り、まとめる。 |
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集団検討の中で、自分の考えと友達の考えを比較しながら考えることは思考力を高める上でとても大切なことである。本時では、自分の考えが書けた児童は、タブレット端末で考えを提出させるようにした。その画面を[画面送信]機能で一斉送信し、教師が意図的に比較させたい考えを提示したり、多くの考えから児童自身で考えを比較し、分類させたりした。活動を通して、児童が考える機会が増え、課題に対しての理解が深まった。
従来だと児童が考えを発表する際、小さいホワイトボードや画用紙に考えを書かせることが多い。そうすると表や図、字が小さくなるため全員が共有することは難しい。そこで[カメラ]、[マーキング]、[拡大表示]の機能を組み合わせて活用し、児童に同じ考えを書き直す手間を省いたり、[画面送信]で一人ひとりのタブレット端末に考えを送信したりした。画面で友達の考えを確認できるので、児童が友達の考えに対して質問したり、付け加えたりする様子が増えた。
日頃の授業の中で、課題に対して自分の考えを書くことはどの授業でも行っていることだが、毎回全員のノートを教師が把握することは難しい。そこで『SKYMENU Class』の[発表ノート]の[カメラ]機能を使い、1時間1時間の学びの成果を児童に[提出]させている。そうすることで児童の考えをその場で簡単に集約できることはもちろん、授業内で考えを比較・検討したり、授業後の評価にも役立てたりすることができる。
[発表ノート]で児童の考えや学習の様子を蓄積することは、
授業後の評価にも有効
タブレット端末に慣れてきている5年生なので、様々な教科で活用できている。児童のノートはもちろん、理科の実験の様子を撮った画像や体育で児童の動きを撮影した動画など、児童の学びの成果を簡単に保存できることはとてもありがたい。また、[画面一覧]で児童の活動の進捗状況をリアルタイムに把握することも机間指導をする上で大いに役立っている。[発表ノート]で児童の考えや学習の様子を蓄積させることは、授業後の評価にも有効である。
(2018年10月掲載)