授業でのICT活用

他の人の意見を参考にし、具体的な説明文を書こう

導入時は、課題提示や[タイマー]で教員1台で活用。展開時は、調べ学習でグループ1台活用。まとめ時には、生徒一人一人が活用し、自己評価を全体で共有するまでをシームレスに活用した
本時のねらい  ALTに対して自分が薦めたい日本の観光地について、具体的な場所を明示し、それに関する説明、理由、自分の意見などを書かせる。また個人の意見を共有し深化させながら読み手のことを考えながら説明文を書く。
授業の実際  導入では、本時の目標と流れそして評価項目を確認させた。1st draftを作成する際、[マッピング]機能を使用し、キーワードを出させた。キーワードを明確にすることによって英文を作成しやすく、英作文という活動にスムーズに入ることができた。ALTから添削された文章をさらにどのように広めていくか、どんな情報がほしいのか個人で汲み取り、ペアで意見をシェアリングさせた。その上で文章の再構成をさせた。机間指導をしながら工夫された表現方法や使ってほしい表現方法などをタブレット端末で撮影し、全体に投影、マーキングをして生徒たちにフィードバックをすることで、共有しながら自分たちの作品をより良いものに仕上げていくことができた。まとめのところでは、生徒一人一人にワークシートを配付、自己評価をしてもらい提出をしてもらった。一人一人の感想や評価を全体で共有することで相互評価もすることができた。
単元計画(全4時間)
第1時 新出単語の確認、本文の確認、音読練習
第2時 文法説明
第3時 マッピングを利用しながら、1st draftを作成
第4時 ALTからの添削をもとに、ペアで最終原稿を作成(本時)

本時の展開

学習の流れ 主な学習活動 指導のポイント
(タブレット端末活用場面)

ねらい・目標・評価の確認をする

本時の活動・ゴールを明確にしておく。

1st draftの添削を確認する

ALTに添削、コメントをしてもらったワークシートを一人ずつに返却。
コメントを読みながら、文章の構成や内容の推敲などを「個人→ペア」の順で取り組む。

3rd draftをペアで作成する

添削された文章を確認しながら、より具体的な意見を書く。

1タイマーで時間管理

2机間指導しながらタブレット端末で撮影→共有

違うペアの紹介文を読み、コメントを残す

違うグループの作品を読み、自分がALTになりきって簡単な英語を使ってコメントを残す。

振り返り

本時の活動を振り返り、ワークシートに記入させながら自己評価をさせる。

3ワークシートを配付、提出→全体投影でシェアリング

タブレット端末活用のポイント(効果と児童生徒の反応)

生徒の活動を時間管理
タイマー

[タイマー]機能で経過時間を表示本時では、多くの活動をする上で[タイマー]機能を使い全ての活動において時間管理を行った。生徒たちは活発的に言語活動をすると、どうしても制限時間内に話し合い活動が終わらないという現状があった。そこで、活動中[タイマー]機能を使い、円グラフで電子黒板に提示しておくことで、生徒たちが時間を気にしながら活動することができるようになった。

タブレットで撮影し、活動内容を共有
カメラ、マーキング

生徒のタブレット画面を[カメラ]で撮影生徒たちに調べ学習をさせている間、教師が教師用タブレットを持ちながら机間指導をし、気になる調査をしている生徒たちのタブレット画面を教師用タブレットで撮影。この活用は、生徒の作業を止めずに教員が良い意見を全体に共有することができる。また、どこが良かったのか、共有したい部分を[マーキング]機能を使いながら共有。生徒たちがより主体的に活動しながら、アイディアも全体で共有することができるようになった。

自己評価を共有しよう
発表ノート(配付・回収)

[発表ノート]の提出一覧から選択して全体共有授業のまとめ時に、自己評価を全体に共有する時間を設けた。[発表ノート]で作成したワークシートを生徒全員に配付し、自己評価を記入させ、提出させた。
これにより、一人一人の意見を全体に共有するだけではなく、生徒たちが友人の意見を見ながら自分の意見をより深化することができた。

こんな場面でも使える!実践を振り返って

自発的に意見を共有しようとする姿勢が見られた

今回の授業を通し、生徒たちが主体的に学習に取り組むことができた。「先生、こんな表現方法はどう?」「こんな言い方ができると思う」など自発的な意見を全体に共有しようとする姿勢も出てきた。また、[カメラ]機能と[マーキング]機能に関しては、今回は調べ学習時に使用したが、生徒が書いた英作文のワークシートを撮影、投影、マーキングで文法指導をすることもできるし、具体的な表現方法を全体で共有することもできる。今回の授業を通し「全体で考えを共有」することで、生徒一人一人の考えをより深めやすく、そして更に発展的な言語活動をすることができると考える。

(2018年4月掲載)