
本時のねらい | 挿絵を並べ替える活動を通して、本教材のイメージをつかみ、学習の見通しをもつことが大きなねらいである。また、戦争や戦争下の人々の暮らしについて知り、登場人物の置かれている状況を知ることができることもねらいとした。 |
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授業の実際 | 個人でノートの上で印刷した挿絵の並べ替えする活動を行った後、班で話し合いながらタブレット端末と[発表ノート]を使って、物語の全体像や時系列を確認した。そして、各場面のイメージを表す色を班で話し合い、場面を色で表した。本文を根拠にそれぞれが様々な色で表していた。全体で共有したあと、意見が分岐する場面についてこれからの学習課題となる場面とした。また、児童は戦争について想像することが難しい。そこで、戦争や戦争下の人々の暮らしについて映像から知り、登場人物の置かれている状況を知ることができた。 |
単元計画(全9時間) | |
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第1時 | 学習の見通しをもつ。(物語のイメージをつかむ)(本時) |
第2時 | 物語の設定を確認する。 |
第3~6時 | 登場人物の関わりについて読み取る。 |
第7時 | 題名「一つの花」について考える。 |
第9、10時 | 本の紹介リーフレットを作る。 |
本時の展開
学習の流れ | 主な学習活動 | 指導のポイント (タブレット端末活用場面) |
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映像を見る | 一部を隠した戦争時代の写真を見て、どんな時代なのか想像する |
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並べ替える | 物語の範読を聴き、物語の挿絵を並べ替える |
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イメージを膨らめる | 各場面がどんなイメージなのか色で表す |
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まとめ | 物語がどんな話なのかまとめる |
[スポット強調]を使って、戦争時代の人々の写真の中で防災頭巾の部分だけを見えるようにし、ほかの部分を黒塗りにして児童に提示するところから授業を始めた。児童は、経験から防災頭巾と分かった。それが、複数あることから日常ではないことに気付かせた。そして、画像の全てを見せ、戦争時代の様子を感じ取らせた。実際には、他の画像も提示したり、空襲警報や飛行機からの爆撃の音声を視聴させたりして、戦争時代の人々の様子を考えさせた。
各班のタブレット端末に[発表ノート]で作成した教材を配付した。教材は、時系列を表す1~5の数字と線の枠を[背景化]して固定。挿絵5枚のデータは背景化せず、自由に動かせるようにした。[背景化]を利用したのは、児童が挿絵を動かしたときに、枠の線や数字が動かないようにするためである。児童たちは、物語の範読を生かしたり、挿絵を読み取ったりしながら、時系列に合うように挿絵を並べ替えていった。
それぞれの挿絵(場面)のイメージに合う色を班で考えさせた。児童は本文を根拠にしながら、「高い高いをされているからピンクだが、お父さんは別れと知っているから灰色」のように、それぞれの登場人物に合わせて色を決めていた。各班で話し合って決めたものを大型テレビに投影し、色を決めた理由を説明させた。登場人物が葛藤する場面や登場人物によって気持ちが違う場面では対照的な色が出てきたので、なぜ複数の色になったのかという学習課題を立て、次の学習につなげた。
思考ツールや写真などを[背景化]することで、思考を広げたり、収束させたりする学習活動が可能に
今回は、[発表ノート]の[背景化]を利用した。これによって、児童がタブレット端末の画面上で画像を動かしたり、書き込んだりしても、背景化された部分は影響されることがなかった。本時以外にも、思考ツールや写真などを背景化することで、その上で児童が思考を広げたり、収束させたりする学習活動が可能になると考えられる。
(2018年1月掲載)