授業でのICT活用

おすすめの場所を英語と写真で紹介しよう

授業の様子
本時のねらい

(第2次)

  • 移動教室で撮影してきた画像を共有フォルダに入れる。
  • 自分の使用した画像だけを取り出し[自分のフォルダ]に入れる。

(第3次)

  • タブレット端末を使って日光で撮影した写真を出し、おすすめの場所を英語で紹介する。
  • 友達の紹介を聞いて伝わったことを書き、伝わったかを確認する。
授業の実際 市の授業力アップ研修会の模範授業として取り組んだ授業。市内外から約30名の教員が参観した。参観した教員に依頼し、聞き役の児童と同様に聞き取れたことを発表者にメモとして渡した。外国語活動は授業内でコミュニケーションをとれることが最重要課題になる。そのような中で普段から顔見知りの友達にスピーチするよりも、全く知らない人に話しかけるということが何より教育的効果をあげることになる。しかし、そのような状況で臆せず会話をしたり、発表したりすることは難しい。そこで活躍するものがICTであると考える。効果的に模範を示したり、自分のスピーチの手助けをしたりとあらゆる場面で有効的なツールとして使うことができる。ICTがあってこその外国語活動とも言える授業となった。
単元計画(全3時間)
第1次 移動教室に関連した言い方に慣れ親しみ、おすすめの場所を紹介するセンテンスに触れる
第2次※ 自分たちが撮ってきた画像を共有フォルダから3枚選び[自分のフォルダ]に入れて印刷をする(本時)
第3次 自分たちが行ってきた移動教室のおすすめの場所を外国語で紹介し、理解してもらう(本時)

※総合的な学習の時間として実施

本時の展開 (第3次のみ記載)

学習の流れ 主な学習活動 指導のポイント
(タブレット端末活用場面)
模範を見る 教師が行うデモンストレーションをみて、自分の行う活動のイメージをもつ。

1実際に児童が使用する端末を使って模範で示すことで、より自分の活動のイメージがもてる。

Input time フラッシュカードを使用したり、テレビ画面に[投影]したりしながら何度も発話できるように繰り返す。 動きのある絵カード等を提示すると集中して取り入れようとする。
Output time 自分のスピーチに合わせてタブレット端末を持ちながら発表していく。

2[自分のフォルダ]を開き用意しておいた画像を提示する。

3[マーキング]などをしながら英語で発表する。

ふり返り 次にまた英語を使ってみたい場面や今日のスピーチをどういう時に使ってみたいかふり返りカードに書き共有する。 ふり返りカードに書いた内容等をテレビ画面で[投影]しながら全体でふり返りをする。

タブレット端末活用のポイント(効果と児童生徒の反応)

教師のデモンストレーションで、発話する意欲を生む
投影

教員機画面を投影しながらデモンストレーション外国語活動の授業では、単元の最後にどのような活動(アクティビティ)を設定するかが重要になる。第1次に教師がデモンストレーションをすることで、児童が見通しをもって活動できるようにした。デモンストレーションで重要になることは、児童が実際に使用する教具を使って示すことである。黒板等に拡大したものを示してもピンとこないケースも起こりうる。実際に使用するタブレット端末を使用しつつ、無線LANを介してテレビ画面で教員の画面を投影できる機能はとても便利である。

パソコン室で写真を選び、普通教室で発表
学習者機画面の一覧表示、
自分のフォルダ(個人フォルダ)

写真整理の状況を教員機で把握移動教室では、班ごとにデジカメを持たせた。第2次は、児童が撮影した写真をパソコン室の共有フォルダに取り込み、その中から自分が英語でスピーチしたいと思う画像を3枚選択させた。選択した画像を[自分のフォルダ]に保存させることで、本時(第3次)ではタブレット端末からすぐに読み出せた。パソコン室での作業は、教員機で全体の進捗状況を把握できるため、とても便利だった。画像を選択し、コピー、貼り付けをするといった作業は、キーボードとマウスがある方が効率的に作業できた。

タブレット端末がスピーチの強い味方になる
マーキング、
自分のフォルダ(個人フォルダ)

[自分のフォルダ]から写真を読み出しスピーチいよいよスピーチの本番になった。真剣に聞いてくれる人を前に英語だけでスピーチすることは大人でもとても緊張することである。そこで強い味方になってくれたのはタブレット端末であった。タブレット端末を持って人前に立ち、[自分のフォルダ]から自分の撮った画像を出してスピーチすることによって、児童は手ぶらで行うよりもはるかに自信をもってスピーチすることができた。説明をよりわかりやすくするため、タッチペンを取り出し[マーキング]しながらスピーチしている児童もいた。

こんな場面でも使える!実践を振り返って

タブレット端末で保存 ⇒ パソコン室で加工。
児童の創造力をより高度なものに

校内の全てのパソコンに同じ授業支援ソフトウェアが入っていることで、とても効率的な授業が組み立てられ、児童の作業もとても明解になった。タブレット端末で保存したものをパソコン室でデスクトップPCから開き、さらに加工したり、上書きができたりすることは、児童の創造力をより高度なものにできると思う。いつでもどこでも[自分のフォルダ]がすぐ傍にあり、とても魅力的な学校だと思う。

(2016年12月掲載)