実践レポート
小学校3年 国語

[マインドシート]で既習漢字を部首ごとに分類し、理解を深める

児童一人ひとりの主体的な取り組みが「分かった」「できた」へ

大阪市立今里小学校の梶野 るい 教諭は、ICTを効果的に活用し、児童一人ひとりが「分かった」「できた」を感じられる授業をめざされています。今回は、部首に注目しながら[マインドシート]で既習の漢字を思い起こし、整理・分類に取り組む授業を取材させていただき、児童の学びを支える工夫や『SKYMENU Cloud』の活用についてお伺いしました。

梶野 るい

大阪市立今里小学校 教諭

児童が「分かった」「できた」を実感できる授業に

本校は、約150名の児童が学ぶ全学年単学級の小規模校です。以前から「情報活用能力の育成」を研究テーマに掲げ、学校組織が一体となってICTの活用推進に力を入れています。本校を含めて全国にある「今里小学校」の児童とオンラインでの合同授業や交流を行う「チーム今里小」という取り組みも続けており、子どもたちにもICTを使ったコミュニケーションが浸透しています。

私は2025年度、3年1組の担任を務める傍ら、情報担当の一員を担っています。日頃から常に意識しているのは、子どもたち一人ひとりが「分かった」「できた」と感じられる授業を行うことです。たとえ学習の得意・不得意の差が大きいクラスでも、全員が参加でき、面白いと感じられる授業にしたいと思っています。だからこそ『SKYMENU Cloud』などのICTを活用し、児童全員が主体的に活動できる時間を大切にしています。

児童の積極性を高めるために、以前は『SKYMENU Class』の[マッピング]をよく活用していました。今回、『SKYMENU Cloud』で「マッピング」や「グルーピング」を行える[マインドシート]が新たにリリースされたと聞き、漢字の学習での活用を思い立ちました。

単元:漢字の組み立てと意味

今回ご紹介する「漢字の組み立てと意味」は全2時間で行います。単元のねらいは、漢字が意味を表す文字であることに焦点を当て、部首などが持つ意味を手がかりに漢字を体系的に理解し、語彙を豊かにする力を養うことです。第1時では、漢字がグループに分けられること、その分け方の基となる部分を「部首」と呼ぶことを知り、「へん」「つくり」「かんむり」「あし」「かまえ」「にょう」「たれ」の7つの部首を学びました。

[マインドシート]を活用するのは、第2時です。「いろいろな漢字の部首を知り、同じ部首の漢字を集めて整理しよう」というめあてを設定したとき、この「集めて整理する」という活動が、多様な意見を拡散し、分類・整理できる[マインドシート]の特性と一致すると感じました。また、通常の[発表ノート]に比べて書き込めるスペースが大きく広がることから、子どもたちが意欲的に活動する姿を想像できました。

単元計画(全2時間)

部首に着目しながら、既習漢字を振り返り、入力

ここからは、第2時の流れをご説明します。まず導入で部首やその種類など、前時の学習を振り返りました。あらかじめ各部首を記入して準備していた[マインドシート]写真1を大型提示装置に映し、[グループワーク]に参加させました。[グループワーク]を使えば児童が番号を選ぶだけで同じ[発表ノート]をすぐに編集でき、スムーズに授業を始められるので非常に助かっています。

写真1活動①の最中の[マインドシート]
写真1活動①の最中の[マインドシート]

その後約10分間、思いついた漢字を部首ごとに個別で入力させました。このとき、ヒントとして使ってよいのは教科書・漢字ドリル・端末内のデジタル辞書の3つのみとし、検索はしないルールにしました。検索すれば知りたい漢字が一瞬で見つかりますが、それでは子どもたちの学びが深まりません。児童自身が部首に注目しながら漢字を学習することで、漢字の組み立てに関心を持たせたいと考えました。

そして、入力するのは1~3年で習った漢字に絞りました。既習の漢字を振り返る機会であること、また、活動の過程で難しい漢字が出てくると、苦手意識を持った児童の手が止まってしまうことも考えて設定しました。

子どもたちは予想以上に、思い思いの資料をヒントに時折友達と会話しながらどんどん漢字を記入していました。3年の7月にローマ字を習ったばかりなのでキーボード入力のスキルにはまだ差がありますが、『SKYMENU Cloud』の[手書き文字認識]のおかげで、その差を気にせずに全員がスムーズに活動できていました。写真2

教科書やドリルを参考にしながら、タイピングや[手書き文字認識]で次々に漢字を入力
写真2教科書やドリルを参考にしながら、タイピングや[手書き文字認識]で次々に漢字を入力

子どもたちが記入している間、私は大型提示装置に映した[マインドシート]を確認したり、机間指導で見取ったりしていました。途中、「へんはたくさん出ているね」「かまえが少ないよ」などと声かけ。最終的に、当初想定していたよりも多くの漢字が出てきました。やはり[マインドシート]の広い空間を見て、「たくさん書き込んで埋めたい!」という気持ちが芽生え、意欲的に臨めたようです。

「この漢字はこっちじゃない?」分類することで思考が深まる

指導書に記載されているのは「漢字を集める」先ほどの活動までで、子どもたちが集めた漢字は教員が主導して分類するのが一般的です。しかし、本時のまとめ「部首によって仲間分けができる」につなげるために、児童自身で分類してみることが重要だと考えました。

そこで、7つの班に分かれ、「へん」「つくり」「かんむり」「あし」「かまえ」「にょう」「たれ」の7つの部首それぞれのグループ分けに挑戦しました。1班は「たれ」、2班は「かまえ」などと、こちらから担当を指定し、「たれ」なら「やまいだれ」や「まだれ」、「かまえ」なら「くにがまえ」や「もんがまえ」といったように、部首をさらに細かく分類・整理させました。

子どもたちは「この漢字はこっちじゃない?」などと、友達と試行錯誤しながら分類を進めていました。また、個々の分類・整理作業に集中して取り組む姿も見られました。こうした児童の集中力を生かしつつ、今後さらなる話し合いにつなげていくために、司会や操作係といった役割分担を設けることも有効だと考えます。これにより児童間の対話を促し、より深い学び合いの場にしていきたいです。

[マインドシート]で全員が最後まで意欲的に入力、分類できた

グループワークの後は、分類・整理した結果を班ごとに全員の前で発表させました。最後に「さんずいは水に関係する」「ごんべんは話すことや言葉に関係する」といった例を示しながら、部首には意味があるので今後も注目してみてほしいと伝え、単元を締めくくりました。

単元を通じ、子どもたちは全体的に高いモチベーションで取り組めていました。端末を使うのが好きなので操作そのものに夢中になってしまいがちですが、『SKYMENU Cloud』は機能がシンプルで、学びに集中させやすいとあらためて感じました。そしてもし[マインドシート]を使っていなければ、教員から「ごんべんの漢字を知っていますか?」などと問いかけ、挙手した児童に漢字を書かせ、黒板に並んだ漢字を教員主導で分類して教える授業になっていたと思います。その場合、ひと言も発しないで授業を終えてしまう児童もいたでしょう。本時では[マインドシート]を活用したからこそ、全員が最後まで意欲的に学習できました。

また、「たれ」のグループに「かんむり」の漢字を入れてしまうといったような、自分たちで分類してみたからこその経験も得られました。こうした学習を通じ、今後の漢字の学習で部首に着目したり、自主学習で部首について調べたりする児童の姿が見られたらいいなと思います。

活動①終了後の[マインドシート]と本時終了後の[マインドシート]

1年間の学びを[マインドシート]で可視化、おもちゃの発想が広がる

[マインドシート]の分類・整理しやすい特長を生かし、理科「おもちゃランド」でも活用しました。この1年間で学習した「風」「ゴム」「光」「音」「電気」「磁石」といったさまざまな力の性質を生かした自分だけのオリジナルおもちゃを作る単元です。今回、班ごとにそれぞれの力や特徴を思い出し、[マインドシート]へ記入する活動を行いました。すると、子どもたちから「電気と磁石を一緒に使う」「ゴムと磁石を組み合わせる」など、これまでにはなかった独創的なおもちゃのアイデアが出てきました。[マインドシート]によってこれまでの学習内容が一覧で可視化されたことで、「この力とこの力を使ったらどうなるだろう」と直感的に考えられたようです。

本単元は、磁石なら「魚つりゲーム」やゴムなら「わゴムギター」などと、例となるおもちゃが教科書にいくつか掲載されているため、児童は見て「面白そう」と感じたおもちゃを作る傾向にあり、既習の学習内容にフォーカスし切れないという課題がありました。しかし今回は既習の学習内容の関係性が可視化され、さらに友達からの気づきも得られたことで、一人では思い浮かばないような発想が出てきたのだと思います。これは予想を超える成果で、正直私も驚きました。

活用する機能やツールを工夫し、全員が参加できる授業へ

これらの実践を経て、[マインドシート]は発想を広げたいときや、関係性を可視化したいときに有効に活用できると分かりました。今後は新学期の学級目標決めで児童から出たキーワードを[マインドシート]で大まかに分類するといったような、合意形成を図る活動でも使っていきたいです。

一方で、クラス全員の意見を集約したいときは[気づきメモ]が適していると感じます。以前、総合的な学習の時間に「お年寄りが今里のまちで幸せにくらす」というテーマで課題設定を行った際、児童一人ひとりに[気づきメモ]に意見を入力させました。そして、集まったすべての意見をCSV形式のファイルで出力し、生成AIに読み込ませ、分析結果を基にクラス全体の課題を設定。教員が一方的に決める課題ではなかったことが「自分たちで決めた」という自信につながったようで、学習への意欲がさらに高まるという効果が見られました。意見の集約には[気づきメモ]、関係性の可視化には[マインドシート]といったように、それぞれの特性を理解して使い分けるとともに、生成AIなどのツールも取り入れて工夫しながら、これからも全員が授業に参加できる授業デザインを行っていきたいと思います。

(2026年3月取材 / 2026年6月掲載)