授業でのICT活用

ポップ制作を通じてPC操作スキルを習得 読み手をひきつける工夫をしよう!

太田雅貴先生大阪府門真市立門真はすはな中学校は、ICT活用教育支援ソフトウェア『SKYMENU Pro』で生徒1人ひとりのユーザ情報を登録し、ユーザIDとパスワードを付与する「個人認証環境」を構築されています。同校技術科担当の太田 雅貴 教諭の1学年技術・家庭の授業を取材させていただくとともに、ユーザ管理のメリット、効果を伺いました。(2013年3月取材)

授業の様子

基本的なPC操作スキルの習得・定着を

同校のコンピュータ教室には、デスクトップPCの教員機と40台の学習者用ノートPCが整備され、ICT活用教育支援ソフトウェア『SKYMENU Pro Ver.13』が導入されている。同市では、Ver.6から『SKYMENU Pro』を継続的に利用されており、太田教諭は講師のころから利用されているという。

1年生は、3学期の技術・家庭の単元「情報に関する技術」(全4時)で初めて学校のコンピュータ教室を利用する。太田教諭は、コンピュータの操作に慣れていない生徒も多いことから、ドラッグ&ドロップなどの基本的な操作やタッチタイピングを定着させることを重視して授業を展開されている。

文書作成ソフトでポップ作りに挑む

第1時では、文書作成ソフトウェアを使って、文字の入力や色の変更、罫線の引き方などさまざまなテクニックを指導された。第2時(本時)では、操作スキルの定着を図るとともに、ソフトウェアを使って加工・編集する目的や効果も意識させたいと考えられ、ケーキ屋さんの立場で「イチゴのショートケーキ一台」を売るためのポップを制作することを課題に設定。

太田教諭は、[教員機画面送信]機能で、課題ファイルを全学習者機画面に提示しながら、お客さんの気を引くために工夫して編集するように指示された。さらに作成したポップは班で紹介し合い、各班の代表者を決めて学級全体に発表することとされた。

課題ファイルを一斉配付し、すぐに制作開始

課題ファイルは、[教材配付]機能ですべての学習者機に一斉に配付された。配付された課題ファイルは、学習者機で自動的に展開され、生徒たちは早速、ケーキの画像や値段の文字を大きくしたり、着色したりして加工していった。

編集作業が落ち着いたことを確認すると、作業を止めさせ、[教員機画面送信]機能で教員機画面を全学習者機の画面に提示。画面には印刷して配付されているワークシートのデータが表示されており、班で紹介し合う際のポイントを全員で確認。生徒たちは班で集まり、お互いの画面を見せながら紹介し合い、班の代表作品を決めていった。

文書作成ソフトウェアで

学習者機画面送信で、素早く発表

各班の代表者は自分の席から発表各班の代表者が発表する場面では、[学習者機画面送信]機能で、代表者の画面を全学習者機画面に提示された。

代表者は、「食べ物の品種や値段を大きく加工しました。買う人が一番気になると思ったからです」「『3月中のみ』の表示を大きくしました。期間限定を強調するとお客さんを引き付けられると思ったからです」などと自分の座席から発表し、太田教諭はそれぞれの発表に対して1つひとつ丁寧にコメントを返されていった。

作品を一斉回収し、すぐに全員で閲覧、共有

まとめでは、[教材回収]機能で生徒の作品ファイルを教員機に一斉回収。[教員機画面送信]機能で、回収した作品の中から太田教諭がピックアップして紹介された。生徒たちは目の前の学習者機画面に表示されるほかの生徒の作品を興味深く確認し、さまざまに工夫された作品に感心したり、ときには笑いがもれる様子もみられた。

「『SKYMENU Pro』を使えば、生徒たちの作品ファイルを一斉に回収して、すぐに全員で閲覧、共有できる。回収されたファイルには、生徒たちの名前が自動的に付加されているので、作品を紹介するときだけでなく、評価を付ける際にも助かっています」。

教員機画面送信

学校の名簿ファイルで簡単に登録できた

名簿をドラッグ&ドロップ、画面の指示に従うだけ

ドラッグ&ドロップ太田教諭は、今年度から『SKYMENU Pro』に生徒1人ひとりのユーザ情報を登録し、ユーザIDやパスワードを付与する個人認証の環境にされている。生徒たちのユーザ情報の登録は、太田教諭が[ユーザ情報管理]機能で行われた。

登録に必要な名簿ファイルは、学校で作成されている名簿ファイルをそのまま利用された。

「忙しい日々の中で、ユーザ登録のためにわざわざ名簿を作ったり、マニュアルを読み解いたりする時間はありません。『SKYMENU Pro』は、名簿ファイルをドラッグ&ドロップで読み込ませれば、あとは画面の指示に沿っていくだけで登録でき簡単だった」とご評価いただいた。

進捗把握が容易に、教材回収が確実に

生徒1人ひとりのユーザ情報を登録したことで、コンピュータ名や単一ユーザ名でのユーザ管理時に比べ、『SKYMENU Pro』がより使いやすくなったといわれる。

例えば、「コンピュータ教室授業支援」機能の操作パネルでは、各学習者機画面のアイコンに「使用している生徒の名前」が表示される。どの生徒が、どのような状況にあるのかひと目で把握できるので、進捗を把握したり、紹介したい生徒を選びやすくなったという。また、[教材回収]機能では、ファイル名に生徒の名前が自動的に付けられて回収されるため、作成した生徒がわからなくなることもなくなった。

ユーザ名表示さらに、タスクバーに使用している生徒の名前が表示される[ユーザ名表示]機能にも効果を感じておられる。

「コンピュータ上に自分の名前が表示されることで、『自分が使っていることを把握されている』と生徒たちに意識させられています。また、生徒たちも自分の名前が表示されているものを乱雑に扱ったりしないものです。名前の表示があることで愛着が湧いているのかもしれません。今後も個人認証の環境を継続していきたい」とお話しいただいた。

学校紹介
大阪府門真市立門真はすはな中学校

大阪府門真市立門真はすはな中学校

門真市立第一中学校と第六中学校が統合され、平成24年4月に「門真市立門真はすはな中学校」として開校した同校。「新しい自分との出会いと発見」を学校教育目標に掲げ、「互いに認め合い、思いやる心豊かな生徒」「主体的に学び、高め合う生徒」の育成に取り組まれている。

(2013年8月掲載)