授業でのICT活用

奈良県奈良市立済美南小学校

奈良市立済美南小学校 3年1組担任の左野 満寿美 教諭は、国語「もうどう犬の訓練」の学習を切り口に、総合的な学習の時間で「バリアフリー」や「ユニバーサルデザイン」の学習に取り組まれています。
「みんなが住みよい暮らし」のために、わたしたちの身のまわりにはどのようなユニバーサルデザインがあるのか。ICTを利用して、さまざまなユニバーサルデザインの理解を深めた実践をご紹介します。

「仮想携帯」機能を活用して実践。参観日の授業に保護者も参加

国語での学びを総合で活かす

3年国語「もうどう犬の訓練」は、盲導犬と自分たちの知っている身近なペットとしての犬との違いを知り、盲導犬は目の不自由な人にとって体の一部であり、かけがえのない存在であることを学ばせられる単元だ。

同校では、年間指導計画で同単元と総合的な学習の時間を連動させ、教科横断的な指導に取り組まれている。

左野教諭は、国語での学習を入り口に、総合的な学習の時間で盲導犬と共に生活している人の話を実際に聞かせたり、アイマスクや車いすを体験させたりして、子どもたちに障害のある人の立場で考えさせてきた。

前時、子どもやお年寄り、障害のある人など、どのような人でも暮らしやすいように施設・製品・情報などをデザインする考え方「ユニバーサルデザイン」を子どもたちに教えた。本時(第5時)は、ユニバーサルデザインで作られた製品や場所が、子どもたちの身のまわりにたくさんあることを知らせ、「もっと調べてみたい」と興味・関心を持たせることをねらい、実践された。

主な学習活動の流れ

アンケートで前時の学習を振り返る

授業が始まると、前時の学習内容を想起させるためICT活用教育支援ソフトウェア『SKYMENU Pro』の[アンケート]機能を使って学習者機にバリアフリーやユニバーサルデザインに関する質問を配付された。学習者機に3択の回答画面が表示され、子どもたちは、クイズに答えるように前時を思い出しながら回答した。

回答結果は、すぐに教員機に集計され、左野教諭は円グラフで表示された集計結果を[教員機画面送信]機能で、全学習者機画面に提示。集計結果を子どもたちと一緒に見ながら、バリアフリーの意味や、ユニバーサルデザインの原則などを振り返った。

主な学習活動の流れ

画面送信で細部までわかりやすく提示

ユニバーサルデザインの理解をより深めるため、左野教諭は身のまわりにあるユニバーサルデザインで作られている製品や場所の写真を[教員機画面送信]機能で全学習者機画面に提示された。大型テレビではなく、[画面送信]機能で提示されたのは、子どもに細かい部分までしっかりと確認させるためだ。

教員機画面送信で学習者機画面に教材を提示提示された写真は、目の見えない人でも触って区別できるように側面に凹凸が付けられている牛乳やシャンプー・リンスなどの「容器」や、耳が不自由な人でもテレビが楽しめるように作られている「テレビ字幕」、外国人観光客向けにさまざまな言語で書かれている奈良公園や奈良駅の「案内標識」など、子どもたちの日常生活の中にあるものばかりだ。

子どもたちは、目の前の学習者機画面に表示される写真を見ながら、「見たことある」「知ってる」などとつぶやきながら先生の話に集中して聞いていた。

手間なく教材配付、素早く考えを発表・共有

続いて「暮らしの中にあるユニバーサルデザインを探してみよう」と、[教材配付]機能で全学習者機にPowerPointの教材ファイルを配付された。配付とともに自動的に開くように設定されており、子どもたちの画面に次々に教材が開かれた。

教材には、学校の正面玄関のスロープや奈良駅の改札の写真など、子どもたちに身近な風景の写真がスライドに貼り付けられている。スライドの上には赤い円のオブジェクトが配置されており自由に動かせるようになっている。左野教諭は、写真の中でユニバーサルデザインだと思う部分にマウスで赤い円のオブジェクトを移動させるように指示された。

また、ワンタッチキー専用機能の[発表]機能も組み合わせて利用された。[発表]機能は、学習者機に表示される「発表ボタン」を押すと、押した学習者の画面が、教員機や全学習者機の画面に提示される機能だ。

答えができた子どもから「発表ボタン」で発表することとされ、左野教諭が「頭の上に手を置いてください。よーいドン!」と告げると、どの子も発表しようと素早くオブジェクトを動かし、発表ボタンをクリック。すると一番早く「発表ボタン」を押した子どもの画面が、全学習者機画面に映し出された。発表する子どもは、マウスでユニバーサルデザインだと考えた部分を示しながら発表した。

[教材配付]機能や[発表]機能について左野教諭は「手間なく教材を配付できた。教員機から一斉に教材を配付できるので、全員が揃って授業を進められた。また[発表]機能で「全員で素早く考えを共有できたので、短い授業時間でたくさんの子どもに発表させられた」と話される。

学習者機に表示される「発表ボタン」

「もっと調べたい」子どもの意欲を引き出す

授業のまとめでは、再度[アンケート]機能を活用して授業の感想を確認された。「もっとユニバーサルデザインについて調べたい」という答えが最も多く、興味・関心が高まっている様子だ。最後に「本やインターネットなども使い、ユニバーサルデザインについて調べていこう」と次時の課題を告げて授業を終えられた。

SKYMENU Proで授業時間を有効活用

左野教諭は、教室移動やコンピュータの電源を入れて、ログオンするまでに時間がかかるため、コンピュータ教室を積極的に利用されてこなかったという。しかし、校内研修で一斉電源ONやログオンの機能を知り、「授業時間を有効に使える」と感じられたとのこと。

次時以降も、子どもたちは本やインターネットでさらにユニバーサルデザインを調べていく予定だ。国語と関連させ、大事な言葉や文を読み取り、短くまとめて発信する力の育成をめざされる。

「参考になるWebページを送信できる機能や[画面送信]機能などを使って、調べて、まとめて、伝える活動を充実させたい」とコンピュータ教室での授業に意欲を示された。

学習指導略案
学校紹介
奈良県奈良市立済美南小学校

奈良県奈良市立済美南小学校

昭和57年開校、創立31年を迎える。同校の教育目標は「学ぶ意欲と、豊かな心を持った子どもの育成」。「開かれた学校」を推進されており、家庭・地域・学校の三者で子どもを共に育てる「共育」を掲げ、「せいなん子ども見守り隊」や「地域の教材化」など、さまざまな連携を図られている。

http://www.naracity.ed.jp/ele04/index.cfm/6,html

(2013年4月掲載)