[発表ノート]で献立を検討
考えの共有で広がる対話
題材名:まかせてね 今日の食事(新しい家庭5・6 東京書籍)
前川 佳世 教諭
福島県いわき市立渡辺小学校
- 本題材について
- 本題材は、2学年を通して食生活について学ぶまとめの題材である。これまで学習してきたことを生かして、普段の食事から食生活を振り返り、よりよい食事のとり方や食事の作り方について考えていく。1食分の献立作成に関する基礎的・基本的な知識を身につけ、栄養バランスを考えた1食分の献立を工夫することができるようにする。そして、今後の日常生活の中で活用していくことがねらいである。また、家族が喜ぶ1食分の献立を考え、家族の食事を工夫することで、自分も家族の一員であるという心情を育て、家族とのつながりを深められる題材である。
- 本時のねらい
- 栄養面や家族の好みなどをふまえて、1食分の献立を考えることができる。
- 授業の実際
- 単元を通した学習課題に「一食分の献立を自分で調理し、家族に食事をふるまうこと」を設定し、学習の見通しをもたせた。本時までに、自分の好きなメニューを組み合わせて献立を立てさせている。給食のメニューと自分が考えた献立を比べることで、気づいたことを自由に交流させ、課題意識をもたせるようにしてきた。さらに家族や栄養教諭へのインタビューをもとに、毎日の食事の献立には、栄養バランスだけでなく、調理法の工夫や旬の食材の活用など様々なことが考慮されていることに気づかせた。
本時では、これまで扱った食材や調理法の知識をもとに、自分でできそうな組み合わせを考えていった。考える際に、グループ活動や練り上げの時間を十分に取り、様々な視点から意見を出し合えるように配慮した。また、タブレット端末や『SKYMENU Cloud』を活用することで、視覚的に献立を検討したり、互いの考えを共有したりできるようにした。
本時の展開
段階 | 学習活動・内容 | 指導のポイント(タブレット端末活用場面) |
---|---|---|
つかむ |
学習課題をつかむ。 |
|
家族と楽しく食事ができる献立を考えよう。 |
||
深める |
課題について考え、解決する。 (1)1食分の献立を考える。
(2)立てた献立を全体で共有する。 |
1メニューの写真をタブレット上で準備しておき、自由に献立を作成する。 |
まとめる | 学習のまとめをする。 |
活用のポイント(効果と児童生徒の反応)
1[発表ノート]上で自由に献立を作成する
- 発表ノート
- 教材・作品
事前に、児童が家族へインタビューをして教えてもらったおすすめの料理や調理経験のある料理などの写真を[教材・作品]内の[グループフォルダ]に準備しておいた。五大栄養素の図やおぼんのイラストを貼り付けた[発表ノート]を児童に配付した。児童は、献立に必要な要素を考えながら、自由に写真を取り込んだり、使う食材を五大栄養素の図に書き込んだりした。献立の写真を取り込んだり、食材を書き込んだりすることで、より献立をイメージしやすくなり、具体的に考えることができた。
2[グループワーク]で協働し、献立のよさや改善点を話し合う
- 発表ノート
- グループワーク
[グループワーク]機能を活用し、3~4名のグループを作り、自分が考えた献立の工夫やアピールポイントを発表した。児童同士で他の児童の工夫の良い点や疑問点など気付いたことを伝え合ったり、[スタンプ]を活用して意思表示したりすることができた。話し合いと[発表ノート]上の献立の修正を同時に行うことができ、効率的に学習を進めることができた。また、児童が自由に意見を交流する場を設けたことで、児童主体の話し合いが活性化し、献立がブラッシュアップされ、さらによいものへと進化した。
3献立の工夫を全体で共有する
- グループワーク
- 提出箱
[グループワーク]で加筆・修正した献立を[提出箱]に提出させ、全体で共有した。[学習者同士で提出物を閲覧できる]にチェックを入れ、自分のタブレット端末でクラス全員の献立を自由に見ることができるようにした。工夫した点や[グループワーク]で修正したポイントなどを発表し、共有することで、献立作りに大切な要素を自分が考えた献立に落とし込むことができた。単元を通して学んできたことを生かし、家族の一員としてできることを具体的に考え、実践につなげることができた。
こんな場面でもつかえる / 実践を振り返って
[発表ノート]を活用することで、児童主体の学習を実現することができた。[発表ノート]は他教科でも活用しやすい。例えば、国語では、[発表ノート]で鳥獣戯画の絵を児童に配付し、[グループワーク]で話し合いながら、台詞を書き込んだり、表現の工夫を見つけたりする学習を行った。児童に課題を配付し、提出物を『SKYMENU Cloud』上で添削、返却する学習も行っている。必要に応じて、[発表ノート]をダウンロードし、掲示したり、ファイルに綴じたりすることもできた。
(2024年6月掲載)