実践レポート
中学校3年 英語生徒1人1台の活用 1人1台 × SKYMENU Cloud

ICT機器を活用したスピーキングテスト

単元名:Program 7 Is AI a Friend or an Enemy?

今西 織恵 教諭

千葉市立椿森中学校

本時のねらい

本時は、Program7内に出てくる新出文法事項を活用した、Interactパートの授業を実施する。ここでは、「千葉市にあったらいいと思うもの」について、事前の授業で習った仮定法過去を正しく使用し、自分の考えを相手に適切に伝えることができるようになることをねらいとする。

授業の実際

本単元では、新出文法事項である仮定法過去を使用し、自分たちの住む千葉市にあったらいいと思うものと、もしあったらしてみたいことについて英文を書き、会話形式で伝え合う活動を行うことで、文法事項の定着を図る。

本時の授業では、事前の授業内で作成した英文をもとにペアでの会話活動を複数回行うとともに、活動のまとめとして、本時の内容の定着度を確認するスピーキングテストを行う。スピーキングテストは、予め録画しておいた教師とALTの動画を添付した『SKYMENU Cloud』[発表ノート]を使用する。生徒は教師の質問を聞き取り、それに対する自分の答えを録画して提出する。

単元計画(全4時間)
第1時

新しい文法事項(仮定法過去)の導入と練習

第2時

「千葉市にあったらいいと思うもの」についてクラスでアイディアを出し合う。
その中で自分が一番欲しいと思うものについて英文を書く。

第3時(本時)

第2時に作成した英文をもとに、会話形式で伝え合う活動を行う。
ペアでの活動後、英文の定着度を確認するため、ALTとの一問一答形式でのスピーキングテストを実施する。

第4時

AIについて書かれた英文を読み、内容の確認と音読練習を行う。

本時の展開

学習の流れ 主な学習活動 指導のポイント
(タブレット端末活用場面)
帯活動

ペアになり、一問一答での英会話練習を行う。

・仮定法過去を使用した英文を、ペアでの会話を通して練習させる。

導入

本単元の新出文法事項である仮定法過去を、全体→個人の順に復習する。

・プレゼンテーションソフトを使用し、学級全体で文法のポイントを再確認する。

1ICT機器を使用し、個人で復習問題に取り組ませる。

展開①

「千葉市にあったらいいと思うもの」について、ペアを何度か変えながら会話形式で伝え合う。

・途中でいくつかのペアを指名して発表をさせる。フィードバックを行いながら、生徒の活動の様子を観察、支援する。

展開②

[発表ノート]の録画機能を活用して、教師やALTとの一問一答形式でのスピーキングテストを行う。

2設定された時間内に、教師やALTが英語で質問する動画を見て、その質問に対する答えを各自で動画撮影し、[発表ノート]で提出させる。

まとめ

本単元の文法事項のまとめを行う。

・数名の生徒を指名し、質問への答え方を全体で確認する。

後日

教師から返却されたコメントを読み、自分の動画をもう一度振り返る。

3納得できる評価が付くまで、生徒は期間内に何度もチャレンジできる。

SKYMENU Cloud活用のポイント (効果と児童生徒の反応)

1テキストボックスを使用した文法事項の復習

発表ノート

▲ [発表ノート]のテキストボックスを並び替えて英文を完成させる

前時に学習した文法事項の復習として、文字を並べ替えて場面に合った英文を完成させる活動を行った。[発表ノート]のテキストボックスを単語カードとして活用した。テキストボックスを移動させるだけで英文を完成させることができるため、文字を書くことが苦手な生徒にも取り組みやすく、短時間で文法事項のポイントを確認することができた。

2[発表ノート]を使用したスピーキングテスト

発表ノート

▲ 周囲を気にせずテストに取り組めるよう、ヘッドセットを使用した

展開①で行った会話活動の定着を確認する目的で、[発表ノート]でスピーキングテストを行った。ここでは、今回の会話の内容に関するALTからの質問動画が添付された[発表ノート]を生徒に配付。生徒は質問に対する答えを動画で撮影し、[発表ノート]に添付して提出した。この方法により、英語に苦手意識があったり、普段発表できなかったりする生徒でも、臆することなく会話練習を行えた。

動画を使用して行うため、生徒は自分が納得できるまで質問を聞き直したり、答えの動画を撮り直したりできた。

3返却後のテストの振り返り

発表ノート、添削・返却

▲ 文法事項や発音について朱書きでアドバイス

返却された[発表ノート]を受け取った生徒はA+の評価が付くまで何度でも再挑戦して良いことにした。対面でのスピーキングテストでは、時間的制約から1回になりがちであったが、[発表ノート]を使用すると、最初にできなかったところを見直し、できるまで挑戦できる。生徒の主体的な取組を促したり、教師も、個々の生徒に対して細かくフォローしたりできるようになった。評価の観点については、テスト実施前に予め生徒に提示した。

こんな場面で使える!実践を振り返って

生徒が何度もテストに挑戦できる。教師も動画を繰り返し確認できる

本実践は、コロナ禍でペアやグループでの言語活動が制限されていた時期に、少しでも生徒が実際のコミュニケーションの場面に近い状況で英語を使えるようにと考えたものである。生徒が何度もテストに挑戦できるだけでなく、教師も動画を繰り返し確認できるので、活動の制限がなくなった現在もこの手法で行っている。動画を見て答えるという性質上、どうしても一問一答形式になってしまうのだが、短時間で手軽に取り組めるため、生徒の実態や普段の会話活動のまとめの手段として、大変有効だと考えている。

(2023年5月掲載)