児童が自分で選び、考えをもてる[発表ノート]の工夫
単元名:分数を使った大きさの表し方を調べよう井上 昌人 教諭
中野区立北原小学校
本時のねらい
本時は、1/10を単位にした分数の表し方と仕組みに着目することで、同じ分母の分数であれば加法の計算ができることについて考え、さまざまな方法や説明の仕方でどのように分数を足したか説明できることをめざしている。
授業の実際
本時は、「ジュースが、大きいびんに3/10L、小さいびんに2/10L入っています。合わせて何Lありますか。」という問題を捉えた後、わざと誤答を提示することで、子供たちの解決意欲を高めた。問題解決場面では、児童の理解や考えによって選べるように[発表ノート]を複数用意した。自分の考えをもった後、トリオで自分の考えを発表し合い、いろいろな考え方に触れさせた後で、さらに全体でいくつかの考えを共有した。[発表ノート]を黒板に提示し、児童に電子黒板を指さしながら説明させ、分子同士を足すことで計算できることを確認した。練習問題に取り組んだ後、授業の振り返りを[発表ノート]に書いた。
単元計画(全10時) | ||
第1時 |
1mのテープを3等分した1こ分の長さの表し方を考える。 |
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第2時 |
1mのテープを3等分した2こ分の長さの表し方を考える。 |
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第3時 |
1Lを5等分した2こ分のかさの表し方を考える。 |
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第4時 |
数直線を用いて、4/5m、3/5mの長さの比較を行う。 |
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第5時 |
1/5mの6こ分、7こ分、・・・の長さは何mか考える。 |
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第6時 |
図を見て、色を塗った部分の長さが2mのいくつ分の長さなのかを考える。 |
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第7時 |
1/10を単位とした数直線を基に分数の大きさや、分数と小数の関係について考え、1/10=0.1であることを理解する。 |
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第8時 |
分数(3/10と2/10)について、加法を用いることができるか考える。(本時) |
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第9時 |
分数(4/5と2/5)について、減法を用いることができるか考える。 |
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第10時 |
「たしかめよう」に取り組む。 |
本時の展開
学習の流れ | 主な学習活動 | 指導のポイント (タブレット端末活用場面) |
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導入 |
問題場面を捉え、立式する |
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展開 |
分数の加法の計算の仕方を考える |
1考えを具体化するための[発表ノート] |
トリオで自分の考えを発表し合う |
2考えの共有、発表 |
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全体に向けて、自分の考えを発表する |
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まとめ |
今日の学習の振り返り |
3学習の振り返りのための参考用[発表ノート] |
SKYMENU Cloud活用のポイント (効果と児童生徒の反応)
1考えを具体化するための[発表ノート]
発表ノート
児童が自分で考えられるように、様々な[発表ノート]を用意した。「計算の仕方を考えましょう」だけのものから、Lマス、数直線、テープ図など、思考ツールに軽重をつけた。児童は自分に合ったものを選び、文章を書いたり、図に言葉を入れたりして考えを具体化していった。[資料置き場]には、Lマスや数直線など必要になりそうなものを入れておくことで、児童が自由に使えるようにした。どの子も自分に合ったものを選ぶことで、考えをその子なりの表現で表すことができた。
2考えの共有、発表
発表ノート
トリオで発表するときには、発表する人にタブレット端末の画面が見えるようにした。また書き込みをする場合には、オリジナルの[発表ノート]をコピーするようにと声かけし、話し合いで活用させた。全体の前での発表が苦手な子も少人数で[発表ノート]を使うことで、自分の考えを伝えることができていた。また全体での共有では、電子黒板を使っていくつかの考えを指名し、発表させた。単元を通して[発表ノート]を使っての発表を繰り返すことで、自分の考えを伝える活動がうまくなった。
3学習の振り返りのための参考用[発表ノート]
発表ノート
今単元では、振り返りを行い、児童自身が学んだことを具体的にできるようにした。しかし、中には振り返りで何を書くかよくわかっていない児童もいた。そのため、振り返りの参考になるように、ほかの児童が書いた振り返りを[発表ノート]で配付した。振り返りのどこが良かったかを確認できるように、振り返りの視点を書き込んだ。単元を通して[発表ノート]をためていくことで、振り返りがうまくなったり、振り返りを繰り返し読んだりすることで学習の理解が深まった。
こんな場面で使える!実践を振り返って
体育の学習カードを簡略化。
児童が「自分のできた」を実感できる[発表ノート]
[発表ノート]の良さは、蓄積していくことができる点である。そこを利用して、体育では器械運動などの個人種目の場面で、取り組んだ様子を動画に撮り貼り付けている。1シートに、1授業を貼り付けていくことで、自分の成長を実感できる。また、学習の記録にもなるため、児童の評価にも活用している。
(2023年3月掲載)