実践レポート

小学校5年 道徳児童1人1台の活用 1人1台 × SKYMENU Cloud 道徳教育における「デジアナ・マネジメント」 単元名:誠実に生きるとは「手品師」

古見 豪基 教諭

埼玉県和光市立第五小学校

▲ ICT(デジタル)と対話(アナログ)を効果的にマネジメントすることで子供たちの主体的な学びを育む。[発表ノート]でリフレクションをしたり、子供の[ポジショニング]機能の画面を共有することで、個々の意見が保障され、道徳科の授業のねらいでもある物事を多面的・多角的に考えることがさらに可能となった

本時のねらい

子供たちは、教科横断的な学習によって、多様な問題解決の場面でICTを活用する能力が育っていく。道徳科の目標でもある物事を「多面的・多角的に」考え、自分事として捉えられる手立てとしてICT(デジタル)と対話(アナログ)を効果的にマネジメントすることで、子供たちの主体的な学びを育む。

授業の実際

まず、子供たちの生活経験から考えられる価値観から問いづくりを行った。「誠実とは」をテーマに自分の考えを基に対話し、グループごとに集団としての問いづくりをすることで、自己の価値観を広げることができた。また、さらに自分たちで考えた問いを基に対話することで、テーマを追求しようとする意欲を高めることができた。

次に、教材がもつ価値観に対する問いづくりを行った。上記の子供がもつ価値観と教材のもつ価値観を授業で対話していくことが、深い学びにつながると考えた。さらに、ICTを効果的に活用したことで、テーマを多面的・多角的に考え、36人の子供たちの価値観が共有化されることが保障されたと考えられる。ここに個別最適な学びが保障され、子供たちの深い学びにつながったと考えられる。

▲ 自律的にICTを活用する「デジアナ・マネジメント」を図った道徳教育におけるカリキュラムの提案

タブレット端末活用のポイント (効果と児童生徒の反応)

1p4cの対話でリフレクション

発表ノート

▲ 三つの観点を基に児童がリフレクションで作成した[発表ノート]

p4cで自由に対話した「誠実さ」について学んだことを発表ノートでリフレクションした。子供たちは「テーマについて学んだ・友達と対話して納得したこと・これからのこと(提案)」という三つの観点を基に振り返ることで、価値観を再構成させることができた。ここでは、活字だけではなく、絵や図、思考ツールを使用して自分の考えを構造的に構成させている様子が分かる。これを基にタブレットを持って休み時間などに交流する姿が見られた。

2心の数値メーターで集団対話!

画面一覧

▲ デジタル教材『心の数直線』(熊本市教育センター)を利用する児童の画面一覧

外部Webページのリンクからデジタル教材 『心の数直線』(熊本市教育センター)を利用して自分の気持ちの揺れをハートの天秤で示し、理由を考え、クラス全体でタブレットを持って尋ね歩きをして意見交流することで、数値をきっかけに自分の価値観を話し、友達の価値観を聴くことで自分の考えが比較され、さらに磨きがかかり、価値観が更新され再構成されたと考えられる。また、さらに問題意識が高まり、新たな問いが生まれることになった。

3少数派の意見が学びを深める!

ポジショニング

▲ 児童の[ポジショニング]機能の画面

教師が発問を行い、子供が答える授業では、積極的で自信のある子が発言を行うことで授業が進んでしまう傾向にある。意見も多様性に欠け、一面的に最適解を求める授業になってしまう。子供の[ポジショニング]機能の画面を共有することで、個々の意見交流が保障され、道徳科の授業のねらいでもある物事を多面的・多角的に考えることがさらに可能となった。また、少数派の意見から考え方が展開し、新たな問いが生まれることで主体的に学び合う集団が形成されたと考えられる。

4家庭学習でもリフレクション!

ポジショニング

▲ 児童は自分の[ポジショニング]機能の画面を家庭でも確認できる

道徳科の授業は、授業だけに終止してはいけない。道徳科は道徳的実践を行うことで子供たちの価値観がさらに広がり、授業で学んだ価値が高まる。タブレットを家庭に持ち帰り、友達の意見を基に家族などと改めてテーマや自分の考えについて対話をすることで、家庭でも学び合う関係ができ、探求する生活習慣を身につけることができた。また、保護者の道徳教育に対する理解も深まり、保護者とともに子供たちの道徳性の育成をすることができた。

こんな場面でも使える!実践を振り返って

子供たちは、自分の善さを伝えるために、道徳の授業で学んで実際にやってみたことを[発表ノート]にまとめて朝活の時間などに、自分たちで学びの計画を立てて、クラスの全員にプレゼンするようになった。これは、自分の善さをみんなに伝えたい、みんなで共有したいという道徳性の成長が感じられた場面であった。自己有用感を高めながら主体的に学び続けるように、今後ともICTの活用を研究し続けていきたい。

(2022年3月掲載)