
A=B=Cの形をした連立方程式の
最適な組み合わせ
単元名:2章 連立方程式

有金 大輔教諭
北海道教育大学附属函館中学校
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本時のねらい
- A=B=Cの形をした連立方程式の解き方を理解し、解くことができる。
- A=B=Cの形をした連立方程式を、既知の連立方程式になおすときの組み合わせの中で、最適な方法について理解することができる。
授業の実際
A=B=Cの形をした連立方程式の解き方の方法を学び、3通りの組み合わせの中で、最適な方法についてクラス全体で考え学び合う授業である。3通りの解き方や最適な組み合わせ方法のまとめについては、[発表ノート]を活用する。全体共有の場面においては、[発表ノート]の画面を教師側黒板のスクリーンに表示することで、交流を行った。また練習問題を解く場面では、学習課題とは別条件の問題を提示し、最適な組み合わせについてグループで考え[発表ノート]でまとめ、交流を図った。作成した[発表ノート]は提出させ、授業後に教師が添削を行い、次回授業時に振り返りを行った。
単元計画(全12時間) | ||
第1時 |
2元1次方程式 |
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第2、3、4時 |
連立方程式の解き方 |
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第5、6時 |
いろいろな連立方程式1、2 |
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第7時 |
A=B=Cの形をした連立方程式(本時) |
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第8時 |
係数の決定 |
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第9時 |
連立3元1次方程式 |
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第10、11、12時 |
連立方程式の利用 |
本時の展開
学習の流れ | 主な学習活動 | 指導のポイント (タブレット端末活用場面) |
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導入 |
本時の学習の目標と展開を示す。 |
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連立方程式 4x+y=3x-y=7を解きなさい。 |
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展開① |
連立方程式の組み合せが3通りできることを確認する。 |
13りの方法のうち1つを[発表ノート]で解答する。
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展開② |
練習問題を解く。(2)については学習課題とは条件の異なる問題を提示。 |
2条件が異なったA=B=Cの連立方程式について最適な組み合わせを考える。その時、[発表ノート]を活用しまとめる。
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まとめ |
最適な組み合わせについて交流を行う。 |
3作成した[発表ノート]を提出し、授業後に添削を行い、次時に振り返りを行う。 |
タブレット端末活用のポイント (効果と児童生徒の反応)
1発表ノートの日常活用
発表ノート、グループワーク、画面一覧

A=B=Cの形をした連立方程式は3通りの方法で表せる。3通りのうち1通りを選択し、[発表ノート]で問題に取り組んだ。[発表ノート]は多様な解き方や考え方がある場面で日常的に活用している。また[画面一覧]を活用することで、過程を把握できる。教師からの適切な支援や助言ができ、授業の流れを考えることが可能となった。[発表ノート]の日常的な活用で、内容を把握する時間、共有をする時間、発表をする時間などが短縮され、自力解決の時間や話し合いなどの時間の確保へとつながった。
2共有や発表の場面での発表ノート
発表ノート、画面一覧

条件が異なるA=B=Cの形をした連立方程式について、最適な組み合わせを4人1組で考えさせた。グループで考えをまとめる際に[発表ノート]を活用した。これまでホワイトボードを利用していた時は、まとめから発表まで時間を要することが課題だった。しかし[発表ノート]は、黒板のスクリーンに考えを映し出すだけで、簡単に短時間で発表を行える。さらにまとめた内容も蓄積されるため、今後の振り返りにも活用できる。『SKYMENU Cloud』の活用で、グループ活動を日常的に行えるようになった。
3学習履歴のための添削
発表ノート、提出、添削、評価スタンプ

1、2で作成した[発表ノート]は、生徒に[提出]させている。提出された[発表ノート]は[提出物]に保存されるので、授業後に[添削]機能で添削し、返却。次回授業で振り返りに利用した。特に[評価スタンプ]が便利で、時間をかけずに区別して添削できる。また、これまではノートやワークシートに書かれた内容は、都度提出してもらわなければ確認できなかった。しかし、今は1のような日々のちょっとした問題を添削して返すことができる。生徒の理解度の把握やモチベーションの向上につながっている。
こんな場面でも使える!実践を振り返って
数学の授業では、数式などの表現には時間がかかるため、キーボード入力だけでなく「手書き」ができる機能は必須と考える。本実践は、Google Workspace for Educationのアプリのみで十分可能である。しかし、[手書き]機能や[画面一覧]機能などGoogle Workspace for Educationのアプリのみでは、多少の使いづらさがある。そのため、特別な授業実践には向いているかもしれないが、日常使いまでは至りづらい。『SKYMENU Cloud』は、[手書き]や[画面一覧][添削]などの機能が充実しており、ICTを日常的に活用できる要因となったと考える。
(2022年1月掲載)