実践レポート

中学校2年 音楽生徒1人1台の活用 1人1台 × SKYMENU Cloud コロナ禍におけるリコーダー指導の実際 単元名:曲の特徴にふさわしい表現を工夫して演奏しよう

三笠 裕也 北海道北斗市立大野中学校 教諭

三笠 裕也教諭

北海道北斗市立大野中学校

▲ 1人1台端末と『SKYMENU Cloud』を使って、リコーダーの学習を実施。密を避け、飛沫感染を防ぎつつ、「主体的・対話的で深い学び」の実現をめざした

本時のねらい

モーツァルト「ソナタ K.331」の曲想と音楽の構造との関わり、リコーダーの音色や響きと演奏の仕方との関わりについて理解するとともに、思いや意図にあった表現を工夫して演奏する。

授業の実際

コロナ禍において、飛沫感染を防ぎながら生徒同士が密にならないように学習内容を考えた。またそのような状況下でも「主体的・対話的で深い学び」の視点にたてるよう、タブレット端末を用いた題材構成を設定した。

(1)自分の演奏を繰り返し聴いて、表現の工夫につなげる

  • どのように演奏したいかという思いや意図をもつ。
  • 気付いたことを楽譜に示すことで、主体的な学びが生まれる。
(2)タブレット端末を通して、気付いたことや、感じ取ったことを共有する
  • ペアや小グループで学習できない環境下でも、対話的な学びを展開。
(3)いろいろな授業展開を設定し、リコーダー演奏のよさを引き出す
  • 生徒が思いや意図をもち、必要感をもって技能を習得し表現につなげる。個人で考え、学級全体で共有するとともに、振り返り場面を設定し、他者を評価する。これにより、リコーダー演奏のよさを引き出し、質の高い深い学びをめざす。

単元計画(全3時間)
第1時

リコーダーの音色と響きと演奏の仕方との関わりについて理解しながら、音を合わせて演奏する。

第2時(本時)

モーツァルト「ソナタ K.331」の旋律の特徴を捉え、曲の特徴にふさわしい表現を工夫して演奏する。
さまざまな伴奏形態に応じた演奏表現を考える。

第3時

学習の成果を発表する。

本時の展開

学習の流れ 主な学習活動 指導のポイント
(タブレット端末活用場面)
授業の見通しをもつ

学習課題を提示する。

「ソナタ K.331」の旋律の特徴を捉え、曲の特徴にふさわしい表現を工夫して演奏しよう。

本時の授業の流れを確認する。

個人・他者で考えを深め、共有する

【活動1】個人

  • 個人で課題を見つけ、表現を工夫して練習する。
  • 気付いたことを楽譜に書き込む。

【活動2】全体
他者の書き込んだ楽譜を参照して、新たな課題を見つける。

1演奏を[カメラ]で動画撮影。演奏を見直し、適切な表現を見つけ出す。気付いたことを、楽譜を貼り付けた[発表ノート]に書き込む。

2[発表ノート]のデータをテレビモニターに映し、他者の考えや進捗状況を確認させ互いの思考を深める。

個人で補充、振り返る

【活動3】個人
他者を参考にフレーズやアーティキュレーションなどの演奏表現を工夫する。

【活動4】
表現の工夫を書き込んだ楽譜を画面に提示しながら、実際にリコーダーを演奏し、表現の工夫を伝える。

2他者の考えを[画面の一覧表示]で並べて表示したり、[画面比較]で任意の学習者機の画面を並べて示したりする。

3[発表ノート]をテレビモニターに[投影]。演奏とともに、表現の工夫を伝える。
その後、[グループワーク]で相互に評価。自分で気付かなかった視点を得る。

深める・まとめ

【活動5】

  • 自分の作品への評価内容を確認する。
  • 自己評価、感想
  • [発表ノート]は最後に[提出]させポートフォリオ評価につなげる。

タブレット端末活用のポイント (効果と児童生徒の反応)

1学びを深め生かす主体的な学習の実現

カメラ、発表ノート、背景化

▲ 演奏を動画で撮影。繰り返し視聴し、表現方法を考える

[カメラ]で自身の演奏を動画撮影。動画で演奏を見返し、工夫したい部分を見つけ、適切な表現を見つけ出していった。工夫した表現は、楽譜の画像を[背景化]して貼り付けた[発表ノート]に書き込み、まとめていく。
1人1台の端末を利用することで、感染症予防に必要な社会的距離を保ちつつ、演奏活動を行うことができる。

2学びをつなぎ深める対話的な学習の充実

発表ノート、学習者機画面の一覧表示、画面比較、グループワーク

▲ [画面比較]で複数の[発表ノート]を並べて比較

[グループワーク]を使用することで、クラス全員の[発表ノート]を共有し、閲覧できる。これにより個々の端末画面で自他の工夫した点を見比べることができる。近距離でグループ活動を行わなくても、タブレット端末の中で対話が生まれた。
また、教師がテレビモニターで学習者機画面を映し出し、いくつかの画面を[画面比較]で提示した。これにより教師と生徒との対話も生まれ、自分では気付かなかった視点を得ることにもつながった。

3深い学びを支える指導と評価の工夫

発表ノート、投影、グループワーク、提出

▲ 工夫した部分を記した[発表ノート]を提示しながら演奏

[発表ノート]をテレビモニターに[投影]しながら、リコーダー演奏を行った。聴き手は、工夫した点を視覚的に確認しながら、実際の演奏を聴ける。教師は生徒の発表を聴きつつ、聴いている生徒の表情や発言を瞬時に見取ることができた。
また[グループワーク]を使って、生徒同士でコメントを送り合えるので相互評価を行える。学びが深まった生徒の具体の姿が、指導と評価の両面から見取れた。

こんな場面でも使える!実践を振り返って

1人1台端末の利用で、安心してリコーダーの練習に取り組める

新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮したリコーダー指導において、1人1台端末の利用は効果的だ。ソーシャルディスタンスを保った練習、交流が可能になり、安心して練習に取り組めた。また、[発表ノート]に書き込んだ内容は、データとして蓄積される。生徒の学習過程や成果の記録を計画的に集積することで、成長の過程や到達点、今後の課題等を示すポートフォリオ評価につながると考えている。

(2021年10月掲載)