実践レポート
小学校6年 総合的な学習の時間児童1人1台の活用 1人1台 × SKYMENU Cloud

鎌倉歴史探訪に行って、調べたことを整理しよう

~いつでもどこでも繋がって協同学習 単元名:鎌倉の歴史と伝統文化
大村 智秋 神奈川県鎌倉市立今泉小学校教諭

大村 智秋教諭

神奈川県鎌倉市立今泉小学校

▲ 『SKYMENU Cloud』を活用して2日目の実践。前時、班で1台の端末を使い、鎌倉市内の史跡を巡って写真を撮影した。本時は[グループワーク]を使って班で写真を共有し、情報を整理した

本時のねらい

iPadで自分の考えを整理することを通して、『探究的な学習を通して、必要な情報をいろいろな方法、手段で収集し、整理・分析する』という総合的な学習の時間のねらいを達成する。

授業の実際

本単元は、「鎌倉の歴史と伝統文化」というテーマのもと、児童が課題を設定し、情報を収集、整理、活用して、まとめていくという構成である。本時は校外学習の振り返りをメインとした。振り返りの仕方は多様にあるだろうが、今回は校外学習で撮影した写真をグループで共有し、それをもとに振り返りをすることにした。ここがICTを活用する大きなメリットだろう。児童は自分が思い出に残っている写真を選び出し、国語科での既習事項である事実と意見に分けて文章に表していた。昨今の事情を考えると、コロナ禍でもできる[グループワーク]のツールとして、『SKYMENU Cloud』を活用したことは大変役立ったと考える。児童は写真の共有ができること、席が離れた児童とグループ学習ができることに興味を示している様子だった。

単元計画(全22時間)
第1・2時

鎌倉の歴史や伝統文化について、話し合いをする。【課題の設定】

全体

第3~6時

鎌倉の歴史や伝統文化について調べる。(本・インターネット)【 情報の収集】

個人

第7時

校外学習(鎌倉歴史探訪)の計画を立てる。

グループ

第8~12時

鎌倉の歴史や伝統文化について調べる。(校外学習)

グループ

第13・14時

鎌倉の歴史や伝統文化について調べたことを、整理する。【整理・分析】(本時)

個人→グループ

第15~18時

鎌倉の歴史や伝統文化について調べたことを、まとめる。【まとめ・表現】

グループ

第19・20時

鎌倉の歴史や伝統文化について、発表する。

グループ

第21・22時

鎌倉の歴史や伝統文化について、まとめる。

全体

本時の展開

学習の流れ 主な学習活動 指導のポイント
(タブレット端末活用場面)
つかむ

学習の見通しを確認する。

1[発表ノート]を使って、提出させた教材を配付する。

  • 目的意識を確認できるようにする。

鎌倉歴史探訪に行って調べたことを、整理しよう。

自己解決・共有タイム

鎌倉の歴史や伝統文化について調べたことを、まとめる。

  • 鶴岡八幡宮
  • 円覚寺
  • 建長寺
  • 頼朝の墓
  • 源氏山
  • 東勝寺跡など

2[グループワーク]機能を使って、グループで情報を共有しながら整理する。

  • 思考ツールを使って、観点をもとに情報を整理できるようにする。

共有した情報をもとに、整理・分析に生かす。

  • 班のメンバーと情報を共有しながら、進められるようにする。
  • 効果的な資料作りをしている班を取り上げ、モニターに投影。全体で共有する。
むすび

次時への見通しを持つ。

3[画面一覧]で情報を共有する。

タブレット端末活用のポイント (効果と児童生徒の反応)

1児童が提出したシートにコメントを加えて返却

発表ノート、配付、提出

▲ 先生からのコメントを確認して、作業を始める

前時に、教員が作成したシートを児童に配付した。児童が作成したシートを提出すると、教員側ですぐに確認ができ、コメントを返すことができる。コメントをもらった児童は、驚きと嬉しさを見せ、本時の学びへの意欲につながる。『SKYMENU Cloud』なら、端末さえあればいつでもどこでもアクセスができる。児童も教員も、自分の時間を有効利用して、教材と関わることができるのが魅力的である。

2班で素早く写真データを共有

発表ノート、グループワーク

▲ [グループワーク]で、班のメンバーと写真を共有

校外学習ではiPadをグループで1台しか持って行かなかったので、[発表ノート]の[グループワーク]機能を使い、写真を共有した。グループの設定は教員がしなくても、児童が自分で選んで出入りできる。教員側としては手間が省けて、初めて使う人にもおすすめだ。こちらからは敢えて提示しなかったが、他のグループと情報共有できる点も見逃せない。児童は進んで自分が使いたい写真や情報を求めて、他のグループと関わる姿も見られた。

3画面一覧で児童の思考を整理

発表ノート、学習者機画面の一覧表示、比較表示

▲ 参考になる児童の画面を並べて表示

[発表ノート]の[画面一覧]機能で、児童の作成したシートを一覧で確認した。リアルタイムに変動するので、学習の進捗状況をスムーズに把握できる。タップして個人やペアをピックアップすることもできるので、全体での共通理解を図りたい場面には大変有効である。児童のシートを比較して提示したり、良いところを全員で考えたりすることが容易に可能になる。前時の振り返りや活動途中の気づきの共有、本時の振り返りからの次時への見通し等、様々な場面で活用できるだろう。

こんな場面でも使える!実践を振り返って

デジタル制作物の特質は、動画を取り入れられること。
理科の実験や算数科のレポートには特に有用だろう。

今回は[発表ノート]を使ったが、[シンプルプレゼン]も社会科の発表や国語科のスピーチ等で大いに活用できる。デジタル制作物の特質は、動画を取り入れられることだ。理科の実験や算数科のレポートには、特に有用だろう。また特別支援教育の観点からも、視覚優位な児童や読み書きに課題がある児童も取り組みやすい。他にもたくさんの可能性があるが、何より機能のシンプルさが素晴らしい。GIGAスクール構想で、初めてICTを使う教員も児童も取り掛かりやすいだろう。

(2021年8月掲載)