
鎌倉歴史探訪に行って、調べたことを整理しよう
~いつでもどこでも繋がって協同学習 単元名:鎌倉の歴史と伝統文化
大村 智秋教諭
神奈川県鎌倉市立今泉小学校

本時のねらい
iPadで自分の考えを整理することを通して、『探究的な学習を通して、必要な情報をいろいろな方法、手段で収集し、整理・分析する』という総合的な学習の時間のねらいを達成する。
授業の実際
本単元は、「鎌倉の歴史と伝統文化」というテーマのもと、児童が課題を設定し、情報を収集、整理、活用して、まとめていくという構成である。本時は校外学習の振り返りをメインとした。振り返りの仕方は多様にあるだろうが、今回は校外学習で撮影した写真をグループで共有し、それをもとに振り返りをすることにした。ここがICTを活用する大きなメリットだろう。児童は自分が思い出に残っている写真を選び出し、国語科での既習事項である事実と意見に分けて文章に表していた。昨今の事情を考えると、コロナ禍でもできる[グループワーク]のツールとして、『SKYMENU Cloud』を活用したことは大変役立ったと考える。児童は写真の共有ができること、席が離れた児童とグループ学習ができることに興味を示している様子だった。
単元計画(全22時間) | ||
第1・2時 |
鎌倉の歴史や伝統文化について、話し合いをする。【課題の設定】 |
全体 |
第3~6時 |
鎌倉の歴史や伝統文化について調べる。(本・インターネット)【 情報の収集】 |
個人 |
第7時 |
校外学習(鎌倉歴史探訪)の計画を立てる。 |
グループ |
第8~12時 |
鎌倉の歴史や伝統文化について調べる。(校外学習) |
グループ |
第13・14時 |
鎌倉の歴史や伝統文化について調べたことを、整理する。【整理・分析】(本時) |
個人→グループ |
第15~18時 |
鎌倉の歴史や伝統文化について調べたことを、まとめる。【まとめ・表現】 |
グループ |
第19・20時 |
鎌倉の歴史や伝統文化について、発表する。 |
グループ |
第21・22時 |
鎌倉の歴史や伝統文化について、まとめる。 |
全体 |
本時の展開
学習の流れ | 主な学習活動 | 指導のポイント
(タブレット端末活用場面) |
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つかむ |
学習の見通しを確認する。 |
1[発表ノート]を使って、提出させた教材を配付する。
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鎌倉歴史探訪に行って調べたことを、整理しよう。 |
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自己解決・共有タイム |
鎌倉の歴史や伝統文化について調べたことを、まとめる。
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2[グループワーク]機能を使って、グループで情報を共有しながら整理する。
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共有した情報をもとに、整理・分析に生かす。 |
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むすび |
次時への見通しを持つ。 |
3[画面一覧]で情報を共有する。 |
タブレット端末活用のポイント (効果と児童生徒の反応)
1児童が提出したシートにコメントを加えて返却
発表ノート、配付、提出

前時に、教員が作成したシートを児童に配付した。児童が作成したシートを提出すると、教員側ですぐに確認ができ、コメントを返すことができる。コメントをもらった児童は、驚きと嬉しさを見せ、本時の学びへの意欲につながる。『SKYMENU Cloud』なら、端末さえあればいつでもどこでもアクセスができる。児童も教員も、自分の時間を有効利用して、教材と関わることができるのが魅力的である。
2班で素早く写真データを共有
発表ノート、グループワーク

校外学習ではiPadをグループで1台しか持って行かなかったので、[発表ノート]の[グループワーク]機能を使い、写真を共有した。グループの設定は教員がしなくても、児童が自分で選んで出入りできる。教員側としては手間が省けて、初めて使う人にもおすすめだ。こちらからは敢えて提示しなかったが、他のグループと情報共有できる点も見逃せない。児童は進んで自分が使いたい写真や情報を求めて、他のグループと関わる姿も見られた。
3画面一覧で児童の思考を整理
発表ノート、学習者機画面の一覧表示、比較表示

[発表ノート]の[画面一覧]機能で、児童の作成したシートを一覧で確認した。リアルタイムに変動するので、学習の進捗状況をスムーズに把握できる。タップして個人やペアをピックアップすることもできるので、全体での共通理解を図りたい場面には大変有効である。児童のシートを比較して提示したり、良いところを全員で考えたりすることが容易に可能になる。前時の振り返りや活動途中の気づきの共有、本時の振り返りからの次時への見通し等、様々な場面で活用できるだろう。
こんな場面でも使える!実践を振り返って
デジタル制作物の特質は、動画を取り入れられること。
理科の実験や算数科のレポートには特に有用だろう。
今回は[発表ノート]を使ったが、[シンプルプレゼン]も社会科の発表や国語科のスピーチ等で大いに活用できる。デジタル制作物の特質は、動画を取り入れられることだ。理科の実験や算数科のレポートには、特に有用だろう。また特別支援教育の観点からも、視覚優位な児童や読み書きに課題がある児童も取り組みやすい。他にもたくさんの可能性があるが、何より機能のシンプルさが素晴らしい。GIGAスクール構想で、初めてICTを使う教員も児童も取り掛かりやすいだろう。
(2021年8月掲載)