
図表を用いて説明しよう
単元名:文章の構成や表現の特徴を捉えて読む『花の形に秘められたふしぎ』
阿部 奈央美 教諭
北海道北斗市立上磯中学校
(実践時:北海道北斗市立大野中学校 教諭)

単元計画(全11時間) | |
第1次 |
『電子レンジの発想』を読み、電子レンジの加熱の仕組みと発想について[発表ノート]にまとめ、説明する。 |
第2次 |
『言葉のゆれを考える』を読み、調査結果について[発表ノート]にまとめ、説明する。 |
第3次 |
『花の形に秘められたふしぎ』を読み、調査結果について[発表ノート]にまとめ、説明する。(本時9/11) |
第4次 |
第1~3次までに作成した[発表ノート]から一つを選び、全体発表を行う。 |
第5次 |
文章の構成や図表の効果について学んだことを生かし、調べたことをもとに意見文を書く。 |
本時のねらい
- 写真やグラフと本文との結びつきを考えて読み、調査結果について根拠を挙げて説明することができる。
- 聞き手に伝わりやすい発表の技術を身に付け、話すことができる。
授業の実際
本単元は、図表と記述を照応させながら読み取り、根拠を明確にして説明すること、およびICT機器を活用して聞き手に伝わりやすい発表を行うことをねらいとした。本時は、『花の形に秘められたふしぎ』を読み、花の形と昆虫の組み合わせの関係について、[発表ノート]で資料を作成し、発表した。[発表ノート]を用いたことで、図表の貼り付けや加工、説明のカード付けが容易にできるため、資料作成にかかる時間を縮減できた。また、ジグソー学習の形態で担当に分かれて作成した資料を[グループワーク]機能で合体させた。これにより対話的な学びが活発に行われ、学びの深まりが感じられた。振り返りとして、[みんなの作品]機能で[発表ノート]の相互評価を行った。
本時の展開
学習の流れ | 主な学習活動 | 指導のポイント
(タブレット端末活用場面) |
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導入 |
1.本時の学習範囲を音読し、問いを確かめる。 |
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2.本時の課題を知る |
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図表から根拠を挙げて、調査結果を説明しよう。 |
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展開 |
3.説明の練習を行う。
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1 2[グループワーク]機能で、個人で作成した[発表ノート]を共有する。 3投影機能で、学習者機画面を大型ディスプレイに拡大提示する。 |
まとめ
振り返り |
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3[みんなの作品]機能で、評価カードを送り合い、交流と評価を行う。 |
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タブレット端末活用のポイント (効果と児童生徒の反応)
1発表資料の作成
発表ノート、素材置き場、トリミング

[発表ノート]で、発表資料を作成した。第1次は、基本となる書式と図表を貼り付けて配付し、本文と照応しながら資料を作成できるようにした。第2次からは、構成や必要な図表を生徒が考えて作成できるように、段階的に自由度を高くした。[発表ノート]の[素材置き場]に図表を入れておくと、そこからドラッグするだけで簡単に貼り付けができ、トリミングなどの画像加工も同一画面上で容易にできる。図表から自分の説明に必要な箇所のみ切り出して、見やすく簡潔な資料を作ることができた。
2グループで資料を再構築
グループワーク

[グループワーク]機能で、発表資料を共有した。単元の学習の第2次からは課題についてグループで分担し、資料作成を行った。[グループワーク]機能で生徒同士の資料を合体、共有することで、自分と他者との資料の整合性や発表全体の流れを考えて、資料を再構築することができた。他者の作品との比較や協働学習を通して、発表資料を見直したり、本文に戻って記述を確かめたりする姿が見られ、学びの深まりが感じられた。
3グループ発表、評価
学習者機画面の投影、マーキング、みんなの作品

[発表ノート]を「スライドショー」の状態に切り替え、大型ディスプレイに拡大提示して発表させた。生徒は、ピンチアウトして拡大したり、マーキングで書き込んだりして、注目してほしい図表の部分を示しながら説明する様子が見られた。効果的にICT機器を活用しながら、生徒の表現を主体とした学習活動を進められた。発表後には、[みんなの作品]機能を使って、作品の一覧を見て、他者の[発表ノート]に評価のコメントを付け、交流と評価を行った。
こんな場面でも使える!実践を振り返って
生徒たちの[発表ノート]を一括で印刷できる。
「ファイル名」や「氏名」が自動で印字されるので大変便利
[発表ノート]は、教師があらかじめ作成しておいた、基本となる書式や図表を貼り付けた教材を配付できる。配付したノートは、生徒側の端末で自動的に開くため、一斉に活動に入ることができる。また[提出]機能で、生徒が作成した[発表ノート]を、教員機に集約すれば一括で印刷することができる。「ファイル名」や「氏名」を記入しなくても自動で印字されるため大変便利である。印刷した[発表ノート]は評価や、生徒のノートに貼らせて学びの振り返りに利用している。
(2021年5月掲載)