実践レポート

中学校3年 社会生徒1人1台の活用 タブレット端末 × SKYMENU Class 根拠を示して判決を下す~模擬裁判を通して~ 単元名:もしも私が裁判員裁判に参加したら~シミュレーション~

三笠 裕也教諭

北海道北斗市立大野中学校

▲ [マッピング]で、模擬裁判の争点や疑問などをまとめた後、マップを示しながら「有罪」か「無罪」か、結論に至った理由を交流した。一つの事柄でも多様な見方・考え方があることを学んだ

本時のねらい

  • 裁判員裁判に興味・関心を持ち、その意義や課題について考えることができる。(主体的に学習に取り組む態度)
  • 模擬裁判を通して、多面的・多角的に物事を考察する力を養い、公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を身に付けることができる。(思考・判断・表現)

授業の実際

「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業づくり」を達成するには、自分の考えだけでなく、一つの事柄でも多様な見方・考え方があることを知ることが重要である。そのため、今回の授業では個人で模擬裁判の争点や疑問などをまとめた後、グループ学習を取り入れ、同じ裁判でも、有罪・無罪に分かれることを実感し、裁判の難しさ、三審制があることの意義を考えられる授業を展開する。その中で、裁判員制度の意義、課題を考え、人を裁くこととはどのようなことかを考え、しっかり向きあう態度を養っていく。

単元計画(全2時間)
第1時

模擬裁判を実施し、争点の整理をする

第2時

模擬裁判を通して自分の考えをもつ(本時)

本時の展開

学習の流れ 主な学習活動 指導のポイント
(タブレット端末活用場面)
授業の見通しをもつ

学習課題を提示する。

被告人は有罪か無罪か、根拠を示して判決をくだそう。

本時の授業の流れを確認する。

個人・グループで考えを深め、共有する

【活動1】
前時の模擬裁判より、検察官・弁護人の主張において、争点や疑問など、自分の考えをまとめる。

【活動2】
グループで有罪、無罪の理由を考える。

1事件の証拠を黒板やテレビモニターで示し、裁判議事録も参考にしながら、[マッピング]でまとめる。

2グループ内でマップを共有し、互いの思考を深める。その際、テレビモニターに[学習者画面の一覧表示]を映し、他のグループの考えや進捗状況を確認させる。

個人で振り返る

【活動3】
個人のマッピングをもう一度整理・提出。

【活動4】
個人の判決を示す。

3グループで話し合った意見をもとに、個人のマッピングを整理。その際、自分の考えを書かせ、[個人フォルダ]に提出させる。

  • [投票]機能で、テレビモニターに学級の判決の状況を示す。
深める・まとめ

【活動5】
映像を視聴し、今回の学習と結びつける。
自己評価、感想。

  • NHK for school「裁判所」の一部をテレビモニターに提示。

タブレット端末活用のポイント (効果と児童生徒の反応)

1[マッピング]で自分の考えを可視化する

マッピング

[マッピング]であらかじめ教材を作成し、生徒に一斉配付した。生徒が作業しやすいように、予想される項目のいくつかをカードに入力しておき、項目が無い内容に関しては、自分でカードにキーワードを入力して作成し、マッピングをさせた。このような作業を行うことで、学習課題についての情報を整理でき、適切にキーワードを選択して活用する力が身に付いていた。

▲ 1人ひとり、[マッピング]で自分の思考を整理

2グループで多面的・多角的に考察し、表現する

グループワーク、画面比較、マーキング、学習者画面の一覧表示

▲ 自分のマップを示して、考えを交流

個人で作成したマップを参考にして、[グループワーク]で共有したノートにみんなの意見を入力させた。その際、マップを[画面比較]で並べて表示させたり、必要に応じてマーキングしたりして話し合うことで、それぞれの意見や思いが明確になった。それがグループの中での対話を充実させ、学びが深化していった。
また、その様子を、テレビモニターに学習者画面を映し出すことにより、他のグループの様子や進捗状況も把握でき、個からグループへ、グループから学級全体へ思考が広まっていった。

3個へ戻して再整理、ポートフォリオ評価につなげる

マッピング、個人フォルダへ保存

▲ グループでの学びをもとに、マップを再整理

グループでの協働学習を通して、多面的・多角的に考察したものを、個人のマップを再整理することで深い学びにつながっていく。
再整理したものは、さらに[個人フォルダ]に保存することで、生徒の学習の過程や成果などの記録を計画的に集積できる。学習状況を把握するとともに、成長の過程や到達点、今後の課題等を示すポートフォリオ評価につなげることができた。

こんな場面でも使える! 実践を振り返って

学習指導とICTや学習活動ソフトウェアの活用を密接に関連づけて取り組みたい

授業の冒頭、[投票]機能を使って、前時の学習成果を把握した。これにより生徒が学びの見通しを持って、粘り強く主体的に学習に取り組むことができた。このような「生徒の主体性を高めるための活用」をはじめ、「教師にとって教育効果を上げるための活用」「評価を充実させるための活用」という、3つの視点で本時は学習活動ソフトウェアを活用できた。今後も指導の効果を高めるために、学習指導とICTや学習活動ソフトウェアの活用を密接に関連づけて取り組みたい。

(2021年2月掲載)