「校務」&「セキュリティ」

墨田区教育委員会「ICTセキュリティ研修」リスクを伝え、情報セキュリティへの自覚を促す

USBメモリ利用を制限

宮崎隆主査墨田区では、平成21年度に小中学校の全教職員にノートPCを配付し、平成22年度からは校務支援のシステムを導入しています。平成21年度末には、各校に3~4台の電子黒板も整備。平成23年度からは学校ホームページ用CMSも導入しました。校務や授業に必要なICT環境が整い、活用が進んできています。

整備にあたっては、情報セキュリティ対策も重視しました。情報セキュリティポリシーも見直し、例えば、教員のノートPCからUSBメモリへのデータの書き出し行為を禁止しています。データを書き出す場合は、決められたコンピュータでCDやDVDに書き込むこととし、また管理職の許可を得ることとしました。

整備に併せ、全教職員に情報セキュリティ研修

このような墨田区の情報セキュリティポリシーに沿った適切なICTの活用を図るため、教職員への情報セキュリティ研修を精力的に実施してきました。平成22年からの2年間で区内の全教職員が研修を受講しました。

導入当初は、コンピュータの利用が制限されることに対して先生方から懸念の声をいただくこともありました。しかし、多数の学校の管理職の先生方からは「個人情報の漏えいに対する心配が少なくなった」との声もいただいており、対策の効果を感じています。

情報漏えいのリスクを伝え、教職員の意識を高める

ICTセキュリティ研修の様子今年度は、新規採用等教員や区外転入教員を対象に全4回の「ICTセキュリティ研修」を実施しました。そのうち2回の研修をSky株式会社に依頼しました。

学校と民間企業はその性質は異なりますが、民間企業の厳しいセキュリティ対策の例や、さまざまな情報漏えいの事案・リスクを知ることで、先生方に墨田区の対策や取り組みをより理解していただきやすいと考えました。特に、新規採用の先生方には、教員として、一社会人として求められる情報管理の意識を持っていただく良い機会になったと思います。

ICTセキュリティ研修の内容(講師:Sky株式会社)

【情報セキュリティ事故の実態や傾向について】
情報セキュリティ事故の原因の約3割は人為的なミス。
情報漏えいの事故件数は「紙媒体」の紛失が多くを占める。
USBメモリなどを紛失すると、漏えいする情報量が多く、被害が大きくなる。
先生方が取り扱う子どもたちの成績やアレルギーなどの個人情報は、貴重な情報。
【紛失・盗難などの人為的なミスを防ぐために】
どこに、どんな情報があるのかを把握する。まずは身の回りの整理整頓を。
USBメモリの欠点は小さく、失くしやすいこと。帰宅時にはキーボックスに返却するなどの紛失対策を。
離席時には、PCから認証USBを外し、画面のロックを行うなど情報が漏れない対策を。
個人情報が記載されている資料は、シュレッダーで廃棄を。
ユーザIDとパスワードは適切な管理を。他人に類推されないものを。 など

取り組みを共有し、区全体の活用推進へ

先生方の情報管理意識を高めるために、研修は継続的に行わなければなりません。しかし、情報セキュリティの研修を、ICT活用の研修と切り離して行う必要はないと考えています。ICT活用の研修で、実際にICT機器に触れていただくなかで、墨田区のセキュリティポリシーの理解を深めていただければと思います。

なお、ICT活用研修は、平成24年内で41回の開催を計画しています。

今年度は、日々のICT活用にかかわる質問や悩みを相談する場、スキルアップする場として、新たに「ICT活用相談会」を企画しました。月に1度の開催を予定しています。

また昨年度、各校の「校長」「副校長」「ICTリーダー」の先生方を対象に実施した、ICTと学校経営を結びつけた研修「ICTマネジメント研修」を今年度も継続して実施しました。

墨田区では、研修会は実際の授業で役立つ技術を習得する場であるとともに、各学校の取り組みなどの情報を交換できる場でもあると考えています。各校のICT活用を促進するのは教務主任やICTリーダーの先生方であり、それらを支えるのが校長、副校長など管理職の先生方です。

研修会でこれらの先生方に「横のつながり」が生まれ、それがやがて区全体のICT活用促進につながることを期待しています。

(2012年8月掲載)