ICT活用教育のヒント

安心感のある校内ネットワークに必要なベースウェアの機能 高橋 純

使い勝手の上がる校内ネットワーク

はじめに

2005年の学校において、校内ネットワークを取り巻く環境は急激に変化している。台数の増加、校内への分散配置、高度なセキュリティ問題等々である。従来以上に多くの点に配慮する必要がある。その際、校内の情報担当教師だけで対応しきれるのか?という問題に直面する。何かの助けが必要となるのは明白である。その一つに校内ネットワークを管理し支えるベースウェアがある。

本稿では、校内ネットワークの構築事例や、アンケート調査を元に、安心感のある校内ネットワークを支えるベースウェアにはどのような機能が必要かの検討を行う。

2年目になっても問題なく稼働 ~徐々に使い勝手の上がる校内ネットワーク~

昨年度、富山大学附属小学校での校内ネットワークの再構築のプロセスを報告した。その後は下記のような状況になっている。

  1. 学期に1回の予防的なメンテナンスで、トラブルを防止できるようになった。
  2. メンテナンス作業は、導入時の機能を回復する意味よりも、より使い勝手を上げるために多くの時間が費やされている。例えば、図書検索をどの子ども用パソコンからもできるようにする、特別教室の利用状況を把握するWebカメラの設置などの作業がその都度行われた。
  3. 教室前のワークスペースに設置したパソコンを中心に、子どもの利用率が上がった。
  4. 教師が授業で数多く使うようになり、研究公開授業でも使われるようになった。
  5. 利用頻度が高いため、急遽、別予算を組み子ども用パソコンを15台新規購入した。

再構築の前は、トラブルも多く、ほとんど授業で使われることが無かったことから考えると、わずか1年で急激な変化となった。今回、「教師が安心感を持って使える校内ネットワーク」を意識して設計した。その結果、トラブルも無くなるだけではなく、ほとんどメンテナンスも必要なくなった。

つまり、導入当初の機能を回復するための「消極的なメンテナンス」の時間が最小であるために、さらに使い勝手を向上させるための「積極的なメンテナンス」が行えるようになった。当初の設計は成功であったと言える。

さらにそれ以上に、設計時の想定を上回る校内ネットワークの活用が 数多く起こった。この事は、これまで附属小の先生方が「教師にとって 使える校内ネットワーク」を切望していたにも関わらず、使えなかった 事の裏返しであろう。全国的に教師のIT活用は遅れていると言われる。

その原因に教師の努力不足が指摘されることも多いが、安心感のある 使える校内ネットワークの構築といった環境整備も重要である。

(2006年2月掲載)

一覧へ戻る