ICT活用教育のヒント

「2005年」の学校に対応した校内ネットワークの設計 高橋 純

安心を確保する校内ネットワーク設計

1.安心感がなければ実践も生まれない

ある学校の例。校内ネットワークもあり、児童用も教師用もコンピュータがあった。全ての教師が、校務処理に日常的にコンピュータや校内ネットワークを使っているし、校務をこなせるスキルもあった。しかし、授業にはコンピュータもネットワークも使われていなかった。なぜ、コンピュータや校内ネットワークは活用されなかったのか?その原因の一つは、教師が校内ネットワークに対する安心感を持っていないことであった。校務に使う教師用コンピュータは、ウイルス被害に悩まされ、トラブル続きであった。教師自身がトラブルに悩まされていれば、校務には仕方なく使っても、授業に使いたいと思わないのは当然である。

今日、校内ネットワーク設計の検討が軽視され、実践や活用方法を語り合うことばかりが重視される傾向にある。しかし、実践を行うには、足下の校内ネットワークに安心感が無くてはならない。しかし、現在、個人情報漏洩事件やウイルス感染が社会問題になっているように、安心感の確保は非常に困難になっている。もし、一度、安心感が失われたならば、再び教師が授業に使うだけの安心を感じるまでには長い月日が必要である。常に教師が安心を感じ続けられる校内ネットワークの維持が重要である。本稿では、トラブルが少なく安心して使える校内ネットワーク設計のポイントを導入事例を踏まえながら述べる。

2.校内に100台以上のパソコン、廊下や教室への分散配置の校内ネットワークへ

2005年度までに概ねすべての公立小中高等学校等が高速インターネットに常時接続し、各学級の授業でコンピュータを活用するために必要な校内ネットワークが整備される予定である。児童生徒5.4人に1台のコンピュータが整備され、600名程度の学校では100台以上のコンピュータが、コンピュータ室や職員室のみならず校内全域に高速インターネットに接続された形で設置される。

このことにより、学習や校務処理のあらゆる場面で利用されるといった利用場面の多様化や、これまで使っていなかった学年やPTAの利用といった利用者層の拡大等が起こるだろう。そして、校内ネットワークの利用頻度の増大や利用の日常化が進むと予想される。また、利用頻度の増大は、障害や故障の可能性を高めるが、学校運営に支障を来さない安定した運用を求められる。

コンピュータ室や職員室などの特定の場所で特定の利用者によってのみ活用されていた現状から考えれば大きな変化であり、校内ネットワークの設計にも新しい配慮が必要となる。

(2004年12月掲載)

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