ICT活用教育のヒント

校内LAN活用の3つのポイント 高橋 純

情報化の目的とは

情報化の目的=学習の質の向上や校務の効率化

情報化の目的は、学習の質の向上や校務の効率化であり、情報化自体ではない

ありがちな情報化は、今の仕事を、単にコンピュータや校内LANに載せただけの情報化である。この場合、情報化自体が目的となっていて、大きな改善が望めない場合がある。

現在行われている校務処理の大部分は紙ベースで、意思疎通に時間がかかることを前提にした場合に最適化された方法である。校内LANが入れば、一人ひとりへの回覧ではなく、教師間で同時並行しての情報伝達が可能であり、作成されたデータの再利用や共有もかんたんにできる。こういった環境に最適化した新たな校務処理の流れを作り、校務の効率化を図ることが、情報化本来の目的といえる。情報化本来の目的が達成できると、部署や分掌が統廃合されたり、人的配置が変わることが多い。

したがって、情報化を検討する際に、縦割りされた末端の作業担当者に、どのように情報化したら良いかを調査する場合があるが、この回答は改善に結びつかないことが多い。その担当自体が無くなるような画期的な提案は極めてまれであり、大抵、その担当者が、楽になるとか、10分の仕事が2分に短縮されるといった程度の回答が返ってくる。調査すべきは、担当している仕事の内容や範囲である。管理職がそれらを掴んだ上で、仕事全体のフローチャートなどを作り、情報化により統廃合できる仕事や分掌を明確にし、情報化を推進するのが理想的である。

例)出欠情報の共有

定型校務ほど、校内LANやコンピュータの得意とするところである。児童・生徒の出欠確認を情報化する場合、今まで出席簿に書いていたものを、コンピュータに入力する方法が考えられる。これにより、1時間目が始まる頃には、校長室や保健室でも出欠が確認できる。通知票や指導要録等を作成する際にも利用できる仕組みを作っておけば、利便性も増す。

しかし、これは単純に、紙をコンピュータに置き換えたレベルに近い。そこで、欠席の連絡が電話で来たら、その場で電話脇のコンピュータから欠席を記入する方法を導入してみる。これにより、教室での入力作業が軽減され、担任だけではなく、日直の生徒や校長や養護教諭なども、リアルタイムで出欠を知ることができるメリットも追加される。

例)文書を電子配布。埋もれる書類も閲覧可能に。

学校には多くの文書が届けられるが、重要でないものは回覧されなかったり、担当者だけに届けられ、存在すら知ることのできない場合がある。そこで、スキャナで文書を読み取り、電子化された文書をサーバに保存して、職員に電子メールで所在(URL)を送信する方法がある。職員は、クリック一つで、画面上からその書類を読むことができる。これはコピー機に機能追加をすると実現できることが多い。

大学では、この方法を使って、助成金の案内等が送られる。これにより、今まで知ることが難しかった多くの情報が届けられるようになると同時に、文書がたくさん張り出された掲示板を見に行く必要がなくなった。従来よりも格段に利便性が高まった事例である。

例)かんたんにできる情報共有 ~画像掲示板~

情報化を推進する場合は、専用のグループウエアなどを導入した方が便利である。しかし、導入ができなくても、情報化は推進できる場合がある。

汎用の掲示板を工夫して使ってみる。掲示板というと、校内外の学級と交流するために使うといったことを考えがちである。

しかし、かんたんなWebサイト作成ツールと考えて、例えば、日直の児童・生徒が、学級で育てている稲のデジカメ写真と観察日記を、毎日掲示板に投稿して、Webサイトを作った事例がある。これは学校のWebサイトとして、毎日公開された。

また、保護者との日常的な意見交換に掲示板を使っている事例もある。この掲示板には、学校での出来事や、保護者の意見が載ったりしている。これにより、一方的な学校批判や、大きな問題が事前に回避されるといったメリットの報告もある。

単純な掲示板でも、運用により、観察の記録に使えたり、日常的な意思疎通が難しい保護者との情報交換に使える場合がある。このように情報化によるメリットを最大限に活かした利用が望まれる。

(2004年2月掲載)

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