ICT活用教育のヒント

校内LAN活用の3つのポイント 高橋 純

情報の共有・情報の管理

勤務中に作成した書類は誰のもの?

情報公開への対応と校務の継続性を意識した情報共有・管理を

今年から文化祭の担当になった。しかし、異動した前任の先生から、これまでのワープロファイルをもらうのは気が引けるので、一から作り直した、といったことはないだろうか?

校内LANで、ファイル共有が可能になっている場合は多い。「校内ネットワーク活用ガイドブック」では、校務分掌で、これまでの行事関係の書類、各種検査、保護者へのお知らせ、式次第など、毎年繰り返されるものについては、これまでの関係書類を校内サーバに保存しておき、それぞれの係が呼び出して修正、そしてさらに更新することが望ましいとしている(文科省 2003)。

しかし、技術的にはできるはずなのに、こういった校務情報の共有が進んでいない学校もある。

ある学校の例では、現担当の先生が、前任の先生のファイルが欲しいのに、もらうのに気が引けるのは、前任の先生個人の成果であるという思いが強かったからであった。また、前任の先生も同様に、この成果は自分のものであり、前任校に置いてくるのはもったいないという考えを持っていた。特に、凝った書類や、綺麗にできている書類ほど、この傾向はあるようであった。 単にファイル共有という仕組みを用意するだけでは、文科省が推奨するよう な校務情報の共有は進まない。

一方で、公務員が職務上作成した文書、図画、写真、電磁的記録は、公文書として扱われ、市民からの開示請求の対象になる可能性がある。したがって、しっかりとした文書管理や共有が、公文書という観点からも要求されている。

担当者のコンピュータの中だけにファイルが保存されていて、異動と共に学校から無くなるとか、そのコンピュータを自宅に持って帰って家族が使うといったことも、本来であれば、あってはならないことと言える。

校務用のコンピュータを配布した上で、情報公開に対応し、校務の継続性にも配慮した文書管理をされるのが理想的な姿といえる。

例)校務情報の共有をどうするか

ある学校では、校務分掌ごとにフォルダを作り、担当者が作成したすべてのファイルを保存することを義務づけている。旧年度のファイルも別フォルダにあって参照可能としている。

この際、旧年度フォルダは、間違えて上書き保存してなくなってしまわないように、読み取り専用としている。また、この領域については、管理上の観点から、接続記録も取れるようにしている。

従来からあるパスワードなしでかんたんに共有できる領域は、デジカメファイルなど、一時的なファイルの移動のための領域として、利便性の観点から残している。

(2004年1月掲載)

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