ICT活用教育のヒント

「デジタルコンテンツの効果的活用」へのナビゲート 中川 一史

「授業におけるデジタルコンテンツの効果的活用」へのナビゲート(1)

ICT活用授業の肝はここだ

パソコンやインターネット、そしてデジタルカメラ等のIT機器は、たしかに子どもたちが調べてまとめて伝えるための道具として、さまざまな場面で効果的だ。

しかし、慣れない先生が校内にパソコンがあるというだけで授業に活用するようになるのだろうか?わざわざパソコンルームまで足を運ぶのだろうか?

それは教師の意図や手立てにICTがいい関係でよりそっていることが条件になる。さらに、ICT環境がうまく機能していることも重要だ。

ICTを活用するときの授業場面、そして日ごろのICT環境の工夫のポイントをあげていく。

ICT機器のよさを把握する

あまりICT機器になじみのない教師にとっては『使ってみましょう』といわれても、「どうしてわざわざ機器を使う必要があるのだろう」と思うものだ。

しかし、日ごろ活用している教師を見ていると、機器の特徴をうまく活かしている。例えば、プロジェクタは大画面で写すことができる。画面が大きくなることで特に低学年の子どもたちは意欲も高まる。しかも、スクリーンに集中することで、ある箇所、問題等を共有できる。

個々が手元に持っている資料と大画面の提示資料を使い分けることで、子どもたちの「わかる」「できる」に効果的にはたらくと思われる。うまく活用するポイントは、まず敵(?)を知ることだ。

デジタルコンテンツの活用意図を意識する

デジタルコンテンツを活用する場合、次の4つに集約されるだろう。

  1. 知識・理解の補完・定着・なかなか体験できないことを疑似体験する・くりかえし練習する
  2. イメージや意欲の拡充・見ることで想像力を刺激する・実際の体験の意欲を促す
  3. 学び方の補完・うまくいくポイントをつかみやすい・実験の手順がわかる
  4. 課題や疑問への発展・見ることでさまざまな疑問がわいてくる・学習課題に収束するようなきっかけになる

この4つのどれにもあまりヒットしないのであれば、それは使わないほうが絶対によい、ということになる。

アナログとデジタルの融合を意識する

ただし、仮にヒットしたとしても、知識の表面的な補完のみに終わらないようにすることが大切だ。

授業場面1つとっても「これが今日の授業の答えです」といわんばかりに水戸黄門の印籠みたいにしたり、45分の授業中ずっとデジタルコンテンツを使い続けたりしていると、いつのまにか子どもたちは「わかったつもり」になっていくだろう。

うまく活用していく鍵は「デジタルとアナログの融合」にあると思う。実際のインタビューや実験等にうまく展開できるような、「わかる」「できる」にうまく効くようなデジタルとアナログの行きつ戻りつがどのように授業デザインできるかがポイントだ。

最初の例ではないが、いかに普段の授業で子どもたちに実感を持たせられるか、問題意識や追究意欲を高められるか、にありきだ。

(2006年11月掲載)

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