ICT活用教育のヒント

キーワードは情報交流 中川 一史

キーワードは情報交流

「ここ1、2年、教育現場におけるインターネット環境は、めざましく発展をとげてきました。

文部科学省の方針を受けて、地方自治体で予算措置やさまざまな研修等を行うことにより、学校の情報化がより一層進んできました。

さらに、2002年4月から実施された新学習指導要領、特に「総合的な学習」のスタートでインターネットのさまざまな活用が試行されています。

しかし、せっかく整備されてきたインターネット環境も、ちょっと検索 するだけではあまりにももったいない話です。それだけの活用で終わっていたのでは、もしかすると図書室の本で十分かもしれません。

今後、ネットワークの環境を有効に活用するキーワードは、「情報交流」だと思います。Face to face(実際に会う、実際に見る)とネットワークをどのように組み合わせて活用していくかがポイントなのです。

そのためには、情報交流が活発に行われるような環境が必要です。特にストレスのないアクセス速度と、質の良いグループウェア等のソフトは欠かせません。これまで校内でネットワークを活用しようとすると、ソフトやシステムの難しさや使い勝手の悪さもあいまって「なぜ学校の中でネットワーク?」という、パソコンやインターネットを活用することに否定的な先生の問いに、なかなか答えられない情報教育担当の先生も少なくなかったと思います。

さて、ここでは、これから盛んに行われるであろう情報交流活動(交流 学習)の教師の留意点をあげてみます。

1.時間と場所の保証

学校での掲示板への書き込み、読み込みの活動は限られた時間に行われます。活用に積極的な教師の様子を見ていると、それだけでは十分な時間が確保できないために、さまざまな時間の工面をしていることがよく分かります。

たとえば、「日常的なかかわり、書き込みを大切にしている」ということです。イベントをするときだけ、特定の授業をするときだけの利用では、どうしても教師がひっぱっていく形になってしまうことが多いのです。

いつやっても良いという雰囲気を教師が醸し出し、何かあれば書き込みについて話し合いの場をもつというような「節目においての振り返りの場」は、それ以降の活動に意味付けを行うことにもなります。

2.モチベーションの持続

当初は楽しくて仕方のないグループウェアソフトの利用でしょうが、しばらくすると良くも悪くも慣れてきます。そのような意味では「やり始めが肝心」です。利用を始めたころは、子どもたちは目新しさでかかわっていることが多いのですが、ほっておくと、1通発信して終わりということがよくあります。

教師が発言をプリントアウトしてきて話題づくりをするとか、書き方の相談にのるとかなど、積極的に支援してほしいものです。

たとえば、「朝の会、帰りの会で話題に」して学級で取り上げるなど、次の活動への「種まき」をすることも重要です。

3.学習環境の整備

そもそも、ネットワーク上の掲示板の交流では、パソコンは1台でも多いほうが良いし、活動する子どもたちにパソコンが物理的に身近であればそれにこしたことはありません。それが少しでも実現できる環境整備も重要な要素なのです。

物理的に台数が変わらないのなら、たとえば、コンピュータルームの随時開放を行うことなどの方法で、子どもたちにとって身近にすることも大事です。場合によっては、情報委員会の6年生が下級生に教えてあげる場を設定するなどの工夫も必要でしょう。

このようなことも、学習環境の1つであると考えます。

(2004年5月掲載)

一覧へ戻る