ICT活用教育のヒント

アグレッシブな環境整備が分かりやすい授業を生む 中川斉史

安心・安全のネットワーク

全ての普通教室に大型提示装置は必要か

結論から言うと「必要である」。教師用ノートPCは、校務で利用することに加えて、教室で指導用に利用するのであるから、その出力先として子どもたちに大きく見せるための大型提示装置が必要である。

現実的には液晶プロジェクタが一般的であるが、コントラストを考えると高価なPDPも有効である。液晶プロジェクタを例にとると、すぐに使えることが重要である。

すぐに使えるというのは、

  1. 設置のために教室内の机を移動させなくてよいこと
  2. ピント合わせ,キーストーンなどが容易
  3. スクリーンがすぐに用意できる/なくても映る。
  4. プロジェクタとPCをつなぐ線、電源コードなどが十分な長さがある。これらを考えたとき、教室に天井づりで常設しておくのが一番であると思う。そうなるとやはり全ての普通教室に1台ずつ設置されていることが望ましい。

校内ネットワークで全てつながる

以上のような指導用PC、大型提示装置が校内ネットワークでつながることにより、職員室や家庭で作成した教材データを、教室から呼び出して大型提示装置で示し、より分かりやすい授業が行われるようになる。

加えて、授業中は子どもたちからの即興的な話題に瞬時に対応するために、インターネットから生の情報を得たり、これまでの蓄積された先輩の調べ学習の結果や、屋上の気象センサーのデータを見るなど、情報の活かし方を教師自身が子どもたちに提示することになる。

安全・安心校内ネットワーク

これまであげたように、たくさんの機能を期待されている校内ネットワークを運用すると、その管理はとても大変であり、マンパワーに頼るのはむずかしいし、危険である。マシンの数が増えるにつれ、不具合を起こしてうまく動かないものも増えてくる。サーバを利用する人の情報(アカウント)もいろいろな種類(教師、事務職、子ども、PTA、その他)に分かれ、それぞれできることとできないことを決めなければならない。

アプリケーションごとに個人フォルダを利用すると、子どもたちはアプリケーションごとのIDとパスワードに混乱をきたす。なんだか遅い感じがする・・・でも何が原因か分からないので、サポートセンターへ電話もできない・・・。いつの間にか個人のPCがつながれていてウイルスをばらまかれた・・・。 安心・安全であるはずの校内ネットワークが、かえって利用者を不便・危険にさせてしまったのでは本末転倒である。校内ネットワークを、利用の面からだけではなく、管理の面から考えることが大切な時期に来ている。もちろんビジネスモデルでは、多人数の専任SEが管理するためのツールがたくさん存在するが、学校という特殊な環境で、しかも専任SEではなく、普通の教師が管理できるようなツールの登場に期待するわけである。

これらのベースウエアの存在は、校内ネットワーク整備だけでなく、校内のPC管理という視点からも重要なものとなってくるはずである。

(2005年6月掲載)

一覧へ戻る