ICT活用教育のヒント

校内ネットワーク活用のモデレーションを 中川斉史

授業者の視点での校内ネットワーク管理を

校内ネットワーク管理者は何をしているか

最近の学校現場の様子を見ていると、学校の情報化は、歯磨きにたとえることができる。つまり、歯ブラシをどんなものにして(ハード、インフラ)、歯磨き粉を何にして(アプリ、グループウエア)、までは決めることができても、どのように磨くかについて意見がバラバラなのだと思う。

このあたりは、先に述べたようにトップダウンの英断が必要である。しかし、その英断を下すための準備は校内ネットワーク管理者が担っている。

校内ネットワーク管理者って…

皆さんの学校では、4月の職員会で校務分掌を決めるとき、ネットワーク担当、もしくは情報担当などの役割は、どうなっているだろうか。そんな担当はないという学校もあるようだか・・・。実際のところ、好む好まざるにかかわらず、増えることはあっても減ることはないというのが、現在の学校のパソコンだろう。しかも,ネットワーク担当といっても結局は情報主任が兼ね、そのほかにも小さな学校では、生徒指導や理科、体育などいろいろな役と一緒にやってますという先生方も結構多い。

さて、そこでもう一度考えて見たいのが、校内のネットワーク管理者の仕事内容である。どんなことをいつもしているだろうか?また、どんなことをしてくれると期待されているだろうか?

単なる窓口としての存在だけではないと思う。情報主任のあり方一つで、校内の情報教育が大きく変わる。よくわからない機器ばかりいつの間に増えており、情報主任しか使ってないようなことはないだろうか。

機器が壊れたときに直してくれるために役職があるのではなく、「壊れないように」「壊れにくくする」「壊れてもすぐ元に戻る」などの工夫を教員側から行うのが、学校における情報主任(ネットワーク主任)であるはずだ。

もちろん、これらの校内ネットワークの仕組みを考えるためには、技術的な視点も必要であるが、それ以上に、教育活動についての視点、どの教員にも理解しやすい、なじみやすいとはどういうことかという教員間をコーディネートする視点が必要である。

ところが、実際の情報主任は、ドライバーを口にくわえ、PCのケースを開け、みんなが帰った学校で一人残って、黙々と作業をしているようなイメージがあるのは、なぜだろう。(まぁ、それに喜びを感じて、「大変ねぇ」と声をかけられるのが快感という人も一部にはいるが・・・)

校内情報インフラはまだ発展途上なのか?

しかし、もう一度よく考えてみよう。本当にそういうスタイルが情報主任なんだろうか。コンピュータやネットワークを使った授業について質問はほとんどなく、他の教員から聞かれるのは「印刷ができない」「インターネットがつながらない」という問題解決ばかりをするのが情報主任なんだろうか。

そういえば、昔はよく停電があった。月に一度くらいは常だったように思う。テレビもよく「しばらくお待ちください」という画面が表示されていた。発展途上ではそういうこともしばしば起こると割り切っていていいのだろうか。きっとちがうはず。うまく動かないのは、校内のネットワーク管理者がよくないからではなく、校内ネットワークで、何が便利になり、子どもたちにとってどんなメリットがあるのかという本質を語ることなく、設計されていることにある。

つまり、校内ネットワーク管理者は、他の先生方が、「ああ、便利だ」「これは、自分の役に立つ」ということを感じられるように、常に授業者の視点で、校内ネットワークの管理をしていく必要がある。いつまでも、技術的な問題解決のためだけの存在では困ると思う。

(2004年11月掲載)

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