ICT活用教育のヒント

校内ネットワークの良さを活かし、トラブルを未然に防ぐ運用を 中川斉史

校内ネットワークの考え方

校内ネットワークの整備では、とかくハードウェアや仕組みが注目されがちであるが、「何のために」校内ネットワークを整備するのかについての議論がないままネットワークの設計をすることは、問題である。かつて、コンピュータが学校へ入ってきたとき、ソフトウェアのことを考えずにハードウェアを計画することは矛盾しているということを、しきりに述べてきた筆者にとって、校内ネットワークを考える上で同様の心配が頭をよぎる。

職員室内LANと校内LANは違う

これまでのコンピュータ教室や職員室の中のネットワークでは、お互いの顔が見えたり、声が聞こえる空間でのネットワークであった。このネットワークでは、「データの共有」ということがキーワードであった。隣のコンピュータで作ったデータを別のコンピュータで開くことができたり、目に見える場所にあるプリンタへの出力がされるなどである。

ところが、校内ネットワークという広いネットワークでは、少し事情が異なってくる。「データの共有」においても、少し考え方を広く構える必要がある。例えば、共有されているデータが目の届かない場所で開かれたり、削除されたり、移動されたりなど、目で確認できないような問題が起こる。

これまでニュースになっているように、生徒の成績データが校内ネットワークの共有において別の教室で見られたとか、成績一覧を職員室のプリンタへ出力しているつもりがコンピュータ教室のプリンタであったとか、大問題に発展しそうなことも実際には起こっている。

校内情報の一元化を

ここまで書くと、校内ネットワークについては相当慎重にならないといけないことがわかると思う。しかし、その点をしっかり設計し、いい運用ができると、校内ネットワークがこんなに便利なものかと思うのである。

実は一般社会において、銀行の振り込みや指定席の予約で経験しているように、ネットワークは実生活においても普通に利用されている。このときに、何が便利でどんな配慮がなされているかを考えると、校内ネットワークの設計や考え方に生かすことができる。航空券を予約するとき、全国どこにいても空席を見つけたり予約したりできる。これはひとつの情報が行き来しているからである。従って、同時に同じデータを開いて更新したりできない仕組みになっている。

このように校内でデータを共有させるときは、とにかく校内の情報を一元化する必要がある。複数の場所に同じデータがあるのでは、せっかくのネットワークも混乱の原因となる。つまり、いつも同じ場所に最新のデータがあるようになっているから便利に使えるということを全員が意識すべきである。

(2003年5月掲載)

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