ICT活用教育のヒント

堀田龍也

2005年まで、あと1年。今、何をしておくべきか?

「2005年」は、現在、文部科学省が推進する「教育の情報化」の目標年度です。その2005年の学校のイメージは、全ての教室にコンピュータが入り、高速インターネットがつながり、プロジェクタなど大画面で表示する機器が整備される―。

つまり、普通教室でインターネットが使える、コンピュータが使えるようになります。

これまでの授業と何が変わるのか

こうした環境が整うと、これまでの授業と何が変わるのか。

今までコンピュータを使った授業はコンピュータ教室で行っていましたが、普通教室でできるようになるわけです。教室で1、2台となると、一斉に子どもたち全員に使わせることは無理なので、授業では先生が中心に使うことになります。

子どもたちに分かりやすく教えるための表示装置としてコンピュータを使う、これが一つの主流です。例えば、インターネット上のディジタルコンテンツを利用して、それをプロジェクタで表示しながら子どもたちに質問したりして授業を進めていく―。授業スタイルとしては一斉授業ですが、よりビジュアルな教材で分かりやすく伝えることができます。

また、リアルタイムに情報を入手できるので、子どもたちが調べたいと思ったときに、その場で検索して調べてあげることもできます。あるいはライブカメラからの画像を利用した定点観測などのコンテンツにアクセスすれば、現在の様子をダイレクトに知ることができる。他の学校と交流学習する場合も、高速回線ですから、テレビ会議をすることもできる。

このように、学習のタイミングに合わせて、さまざま教材の活用や、子どもたちの活動が可能になります。

授業のバリエーションを増やそう

そういうIT活用ができるようになるのが「2005年」のイメージです。その2005年に向けて、今先生方が考えておかなければいけないことは、自分の授業スタイルや授業のバリエーションを増やしておくことです。

根本的に教える内容が変わるわけではありません。しかし、普通教室にコンピュータが整備されてインターネットにつながることによって、教え方や子どもたちに体験させられる学習活動の幅は、確実に広がっていきます。

一方で、学校にインターネットが接続されていても、普通教室までつながっていない地域もあります。インターネット回線をすべての教室につなぐのが、校内ネットワークです。校内ネットワークがないと、先に話したようなイメージの授業はできません。

校内ネットワークは情報の“水道”のようなもので、学校のどこでも情報を使えるから便利なんです。

大切なのは、子どもたちが安全に使えること

これからは子どもたちが休み時間に電子メールを利用するなど、普通教室のコンピュータをどんどん使っていくようになっていきます。そうすると、今度は安全に使えることが、大切なキーワードになってきます。学校としては、安心して子どもたちに使わせてあげられる状態を常にキープしておくことが求められます。

しかし、先生がネットワークを安全な状況に管理し続けることは、大変難しいことですよね。

専門的・技術的に理解しなければならないことが多すぎます。

安全に使うという意味では、一人一人の先生がモラルの指導は心がけないといけませんが、ネットワークの管理は一人一人の先生がやることではないと思います。先生の本業は授業なわけですから。

ところが、校内全体にコンピュータが配置されると、どのコンピュータでどんな活動がされているかを確認できないと困ることが出てきます。この時間空いているコンピュータでグループで調べ学習をさせたいと思っても、校内のコンピュータの使用状況が分からないと使えません。

また、戸締りの際もすべてのコンピュータの電源がOFFになっているかどうか、確認できないと見て回らないといけません。

最近はネットワークの管理のソフトで、簡単に使用状況を検知したり、職員室など離れた場所から電源を切ったりすることもできるようになっています。

そして、先生が安心して授業に専念できること

このように、一人一人の先生が学習環境を把握するために必要なこと、管理する人が必要なこと、学習インフラとして安全を守るために必要なことを整理しておかなければなりません。

先生方が安心して授業に専念できてはじめて、供給される情報を選択し、どのように組み合わせて、どうのように子どもたちに学力をつけてくか―という本業に関わっていただくことができます。

先生が本業にエネルギーを割くためにも、校内ネットワークを管理してくれるツール、そして安全な環境を用意することが大切だと思います。

(2004年4月掲載)

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