ICT活用教育のヒント

「教育の情報化とIT活用教育」コラム 原克彦

学校に必要なICT環境とは(2)

ファイルの安全が最優先

学校現場の新たな情報環境整備のなかでも、1人1台の教員用PCの配布は、校務処理に大きなメリットをもたらすと見られています。

校務でのICT活用の基礎になるのは、安心・安全なネットワーク環境。それは、「人」と「システム」の両方が揃って初めて実現するものです。

まず、すべての先生が情報管理の重要性を理解し、セキュリティの意識を持つことが不可欠です。

学校としては、各地の教委が策定している情報管理指針をベースに、学校ごとのセキュリティポリシーをつくること。これにより、校内にある情報のカテゴリー分け、サーバー上の保存場所、管理責任の所在などを明確にするのです。合わせて、先生一人ひとりにネットワークとPC活用の基本的なルールやモラルを周知徹底します。

意識とモラルの向上に加え、ネットワークの安全を守るハード面の整備も欠かせません。人間がミスをしてもシステムが救ってくれる環境を用意する必要があります。

学校現場のセキュリティシステムにおいて重視すべきは、ファイルの安全確保です。自分のつくったファイルがきちんと保存され、情報が外部へ漏れない。この2点が確実に守られる環境が、先生方の安心につながります。

ネットワーク活用を支援するツールなどを使えば、特定のフォルダに保存するだけで自動的にファイルを暗号化する環境もつくれます。フォルダへのアクセス権限のあるユーザーなら、ダブルクリックするだけで複合化できるので、普段通りにネットワークを利用できます。わずらわしい操作がなく、簡単にセキュリティが守られる環境こそ学校現場に適したものだと思います。

「ICT資産」の管理へ

教員用PCの整備が進むと、学校で使われるハードとソフトの数が一気に増えていきます。これらを「ICT資産」として管理するしくみも今後必要になるでしょう。従来の備品管理と異なるのは、ICT資産にはPCやプロジェクターなど有体物だけでなく、学校で作成したファイルや教材、ソフトウェアといった無体物も含まれることです。

特にソフトウェア管理は注意してほしい点です。ライセンス数を超えるソフトが使われていないか、セキュリティの脅威となるファイル共有ソフトがインストールされていないかなど、チェックすべき点はいくつもあります。

ネットワーク接続されたPCの状態やインストールされているソフトウェアに関する情報を自動収集するツールがあれば、校内のICT資産を一元的に管理することができます。校内ネットワークや機器の利用状況に関するデータは、ICTの有効な活用法を探るうえでのヒントにもなるでしょう。

(2007年12月掲載)
(日本教育新聞より抜粋)

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