ICT活用教育のヒント

「教育の情報化とIT活用教育」コラム 原克彦

学校に必要なICT環境とは(1)

準備の手間を軽減する

「IT新改革戦略」を受け、普通教室でも使えるノートPCなどの整備が各地で進んでいます。新たに導入される機器を「わかる授業」のために生かすポイントを考えてみたいと思います。

これからの普通教室でのPC活用は、単体ではなくネットワークと組み合わせた利用が前提になるでしょう。合わせて、各種コンテンツや情報を子どもに見せる手段も必要です。

プロジェクターのセッティングの手間は先生の負担になっているので、PCとプロジェクターの接続を無線化し、電源を入れるだけですぐにコンテンツやWebページを提示できるといった、授業で使いやすい環境づくりが求められます。

見せる手段のひとつとして、安価なUSBカメラを実物投影に使う方法もあります。手元の教科書を写して説明したり、手書きの資料を提示しながら子ども自身に発表させたりする際に便利です。

また、先生自身が、デジタル、アナログのさまざまなメディアを組み合わせて指導する姿を見せることは、子どもたちの情報活用能力を刺激することにもつながるでしょう。

普通教室にも支援ツールを

複数台のノートPCが整備されると、普通教室でも、各グループにPCを与え、調べ学習や発表に活用することが可能になります。こうした学習場面の広がりに対応する授業支援環境づくりもひとつのポイントです。

例えばPC操作をロックして先生の説明授業に集中させる、生徒用PCの画面を先生用PCに転送し各グループの作業状況を確認するといった、PC教室並みの支援環境が普通教室でも求められます。子どもを管理するという視点ではなく、授業づくりに役立てるというアプローチから、授業支援ツールを活用します。

こうしたハード・ソフト面の整備に加え、新しい情報環境を効果的に使いこなすスキルを先生自身が磨いていくことも大切です。だれもが板書の技法を知っているように、ICT活用の技法もすべての先生が身につけるべきものなのです。

初心者の先生のスキル向上では、従来から培われてきたアナログメディアの活用手法に目を向けるのも有効です。例えば見せたい部分をあえて隠して子どもに考えさせるといったOHPの提示テクニックは、ICTを使った授業でもそのまま応用できるものです。こうした手軽な活用でICTの効果を実感することが、その後のスキル向上のきっかけになります。

手間なく使える環境、さまざまなツールを組み合わせて指導に役立てるスキル。この両者をバランスよく高めていくことが、ICTを使った「わかる授業」の実現につながるのだと思います。(つづく

(2007年12月掲載)
(日本教育新聞より抜粋)

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