ICT活用教育のヒント

「教育の情報化とIT活用教育」コラム 原克彦

情報教育の転換期

現在の情報教育は、1997年10月に出された指針「体系的な情報教育の実施に向けて(情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議)」をもとにして進められています。ここでは、「情報活用の実践力」や「情報の科学的な理解」「情報社会に参画する態度」の3つのねらいをはじめ、その後の情報教育に関するさまざまな指針が記述されています。

今年で4年目になる、高等学校の教科「情報」も、この指針を参考にしながら教科書が編纂されています。10年前に作成されましたが、現在もその多くの部分がそれほど朽ちることなく実践されています。

しかし、一部は技術の進展や、社会の変化とともに内容を読み替える必要が生じていることも確かです。

例えば、携帯電話をはじめとする個人用の携帯端末の普及が80%を超え、いつでもどこでもネットワークにアクセスできるユビキダスネットワークが急速に発展しました。それとともに、子どもたちの情報アクセスの機会が増加し、しかも低年齢化も進んでいます。これらのことは、10年前に予想はしていましたが、そのことによるコミュニケーションに対するさまざまな影響は当時の予想より複雑になっています。

また、数年先の地上デジタル放送の完全実施や、白物家電を含めたネットワークへ利用、貨幣のデジタル化など、私たちの生活は、コンピュータやネットワークなどを媒体とした仕組みの中に劇的な速さで取り込まれていきつつあります。

現在の情報教育が、小中高等学校で必ずしも系統的に実施されていない現状や、今後の情報社会の変化の速度などを考えると、3つのねらいだけでなく、これからの情報社会に対応できる新しい考え方や力、それらを確実に身につけるための新しい指導法などを考える時期に来ているのかもしれません。

(2006年12月掲載)

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