ICT活用教育のヒント

「教育の情報化とIT活用教育」コラム 原克彦

教員のICT活用能力規準表の試案(1)

学校へのICT関連機器の導入とともに、それらを授業や教育活動に活用するための先生の力が必要になってきました。そのための研修会や実技指導が様々な形態で実施されてきましたが、どの程度まで身につけることが必要なのか、その指針が示されていないため、研修を受ける教員側にとっても、目標が今ひとつ分かりにくいという声が聞かれました。

そこで、私の所属する情報教育を研究する「はら研」(研究会の説明は後述)では、昨年末から今年の4月にかけて、学校の先生や指導主事、関連する企業の方々約50名に参加していただいて、「教員のICT活用能力規準表」の作成を進めてきました。その試案がほぼ完成しましたので、一部を少し紹介します。

この試案では、教員が身につけるべき能力を大きく6つの領域に分け、それらの中に25の中項目を設け、さらにその中項目を4つの能力域に分けて整理しました。

また、規準だけでなく、それぞれの段階で身につけるべき具体的な目標を列挙し、研修などが実施しやすいように配慮しています。表を元にして研修を計画し、それぞれの研修でどの部分の力が身についたかを明確にすることで、自身で不足している能力を把握することが可能になるようにできればと考えています。

また、能力域を設けることで段階的に力を高めることができるようにと願っています。

大項目と中項目、能力域は次の通りです。次回は、もう少し詳細をお知らせします。

「教員のICT活用能力規準表」の大項目・中項目

  1. 教育の情報化に関する政策・施策
    • 1-1.教育の情報化
    • 1-2.情報教育
  2. ICT活用授業
    • 2-1.授業設計
    • 2-2.教材準備・作成
    • 2-3.授業実践
    • 2-4.児童・生徒へのICTスキルの指導
    • 2-5.評価活動
  3. 著作権・情報モラル(情報安全教育)
    • 3-1.著作権
    • 3-2.情報モラル
    • 3-3.児童・生徒への指導
  4. 校務の情報化
    • 4-1.校務の情報処理
    • 4-2.ICTを活用したコミュニケーション
    • 4-3.情報の発信
    • 4-4.成績処理
  5. 情報化マネージメント
    • 5-1.学校教育目標とICT活用
    • 5-2.セキュリティポリシー
    • 5-3.研修計画と実施
    • 5-4.情報化設備の企画と管理
    • 5-5.学校の情報化に関する評価
    • 5-6.その他(地域連携など)
  6. ソフトウェア、ハードウェア等についての知識、スキル
    • 6-1.コンピュータやネットワークに関する知識
    • 6-2.コンピュータおよび周辺機器の操作
    • 6-3.ネットワークの活用
    • 6-4.アプリケーションソフト
    • 6-5.安全管理

4つの能力域

  • 教員養成系学生・新任(基礎的な知識をもとに授業を実践できる)
  • 一般教員(効果的な授業が実践できる)
  • ICTリーダー教員(校内でICT活用の指導や推進ができる)
  • 指導主事(地域でICT活用に関する指導や推進ができる)

※「はら研」について
「はら研」は、阪神間の先生方を中心に、企業の方、指導主事らが集まり情報教育に関する研究を行っています。隔月(偶数月)のだいたい第3土曜日に、毎回約20~30名程度が参加して発表やワークショップを中心とした研究会を行っています。

(2006年5月掲載)

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