ICT活用教育のヒント

「教育の情報化とIT活用教育」コラム 原克彦

学習を支え、安心して使えるネットワーク環境の実現2

1.個別指導やグループ学習における児童・生徒の個人環境

総合的な学習の時間だけでなく、学校ではグループで学習する機会が頻繁にあります。一方で、基礎的な力をつけるためのドリル学習や、グループの中でも個人で調べる場面など、学習では個人とグループの取り組みをバランスよく組み合わせながら進められることが必要です。

コンピュータを活用した学習でも、個人とグループ学習がバランスよく取り入れて進めることができなければなりません。

問題解決的な取り組みをする場合、個々に調べてきた情報をコンピュータで処理・蓄積し、グループで共有して作業をすることは頻繁に発生します。学習場面でも同じような活動が考えられ、そのような場面で、指導する教師が用途に応じて簡単にグループでファイルを共有できるようなネットワーク環境の設定ができなければ、児童・生徒の学習活動が停滞することになりかねません。ここでは、調べた情報を個人のフォルダに保存すること、グループ全体で共有できるフォルダに保存することが必要になってきます。

このような授業を円滑に進めるには、環境が簡易に作れ、しかも管理が容易でなければなりません。

会社と違い、学校でのネットワーク活用は、指導する教師が授業形態に応じて、ネットワークを簡便に利用できなければ授業を自在に進めることが困難になってきます。個別指導やクループ学習における児童・生徒の個人環境やグループ設定が可視的に簡便にできることが必須の条件となってきます。

2.校内でのコンピュータ管理、ネットワーク管理の重要性

教師や児童・生徒にとって便利で有効なメディアも、それを使うことで他者に迷惑をかけたり、自分自身の情報が失われるようなことがあっては困ります。

学校で利用するネットワークは、教師と児童・生徒だけでなく、学校事務を担当されている職員やPTA、外部からの支援教員など、さまざまな関係者が利用します。これらの方が、安心して利用できる環境の整備と、日常の管理が必要であることは言うまでもありません。

しかし、学校内には、ネットワークを管理することや、情報漏えいを日々見守るような専門的な知識や技能を持った専門家が勤務していることはほとんどないのが現状です。

そこで、必要になってくるのが、問題を把握し解決するための事前策や誰もが安心して利用できるネットワーク環境です。安心して利用するためには、ある程度の約束事を作成し、利用している人が互いに理解して約束を守らなくてはなりません。

また、確かな技術を持った専門家にネットワーク環境を構築してもらい、その環境を維持するためのツールが必要です。そのうえで、リスク管理がきちんとできる管理職の意識改革も必要になってきます。

事故や事件が発生してからかかる労力や費用を考えると、事前に講じておく労力や費用の方が格段に低いことは、さまざまな事例からも明らかです。素人が安易な方法でネットワークを構築し、さまざまな問題を引き起こさないような留意が特に必要です。

すでに到来している情報社会の中で、時代に対応した教育に必要な教育方法を見極め、それを実現し、維持するために必要な管理方法を勘案し、今一度、真剣にツールを見直し選択することが必要だと考えます。

(2005年9月掲載)

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