ICT活用教育のヒント

「教育の情報化とIT活用教育」コラム 原克彦

学習を支え、安心して使えるネットワーク環境の実現

今年度を目途に進められてきた教育の情報化の基盤整備としての校内ネットワークの充実は、多くの自治体でその目標を達成できそうです。現在、教室への校内ネットワーク敷設が完了していない自治体でも、近々に整備を加速することは間違いありません。ここ数年のうちに、すべての学校でネットワーク環境が整備され、それらを効果的に活用した学習や校務がより一層進み、今以上に安心して使えるネットワーク環境が必要になってきます。

安心して使えるネットワークが充実すると、その上で利用できる情報の種類や内容が増加し、活用範囲も広がります。日々のカリキュラムや児童・生徒の個人情報も安心して使えるようになってきます。問題は、それを利用する人の意識改革です。

1.学びを広げるICTの活用

ICTを教育に活用した内外の調査結果をみると、学習場面で積極的にICTを活用している学校では、活用していない学校に比べると、児童・生徒の学習成績や学習に対する積極性が明らかに高いという結果が出ています。そこには、いくつかの理由が考えられますが、ICTを活用することで学習方法や内容の広がりが影響していることは確かです。

そして、それらの学校では、教師がICT活用に関する知見を広げ、指導方法に様々な工夫を施し、研究熱心であることも上げられています。例えば、コンピュータ教室を利用した指導のためには、コンピュータの使い方だけでなく、新たな授業テクニックを身につけることも必要です。教師は、分かる授業や楽しい授業に向けてITをいかに活用するかという工夫や努力をしなければなりません。その姿勢が学校全体の教育レベルを高めることにつながっているという考察もされています。

また、コンピュータをはじめとした様々なメディアは、児童・生徒にこれまでの教育方法では触れることのなかった情報と接する機会を拡大することや、コミュニケーションの対象を広げることを可能にします。そのことは、自ずと学ぶ内容と場を拡大することにつながります。しかし、一方では、メディアを活用するためのルールやモラルといった、これまでの教育現場では体験しなかった新たな課題も出てきます。

2.教師の授業形態を広げるコンピュータ活用

先生が授業でICTを利用することで新たな授業効果も期待できます。教科書に載っている教材の中には、アニメーションやシミュレーションを用いて説明した方が分かりやすいものも少なくありません。それらの教材を、一人一人の興味に応じて提示し、理解を促進するような提示方法で提供できるのがコンピュータ教室です。

多くの中学校では、一人1台のコンピュータが利用できるコンピュータ教室があります。教師が予め準備しておいた教材を生徒に一斉に配信することで、理解しやすいインタラクティブな教材を目の前で利用することも可能です。

教師が説明したことの理解を深める場面で利用するだけなく、生徒の興味や関心に応じた教材を利用するなど、その使い方は様々ですが、これまでの一方通行の一斉授業では十分に達成できなかった個に対応した授業が可能になります。

このほかにも、校内のサーバに蓄積された教材を、黒板をスクリーン代わりにしてプロジェクターで提示したり、その提示された画面に自由に書き込みして、児童・生徒の反応に応じた授業展開なども可能になってきます。

(2005年9月掲載)

一覧へ戻る