ICT活用教育のヒント

「教育の情報化とIT活用教育」コラム 原克彦

子どもに必要な情報活用能力3

情報・メディアを活用するための学び方 小学校編

前回は、具体的な操作や演習を通して、身近な課題を解決しながら情報活用の実践力を高めていくような高等学校での実践事例を紹介しました。

このような活動を支えるには、情報をうまく処理する力とともに、コンピュータなどの情報機器を支障なく操作する力も必要になってきます。コンピュータの電源のON・OFFをはじめ、マウスやキーボードの操作、プリンタやイメージスキャナ、デジタルカメラなどの周辺機器の操作、さらには、発表や交流時に利用するプロジェクタやテレビ会議システムなど、多岐にわたる機器の操作が必要になってきます。

これらをうまく学習に取り入れながら、操作能力を高めている小学校の事例を紹介しましょう。

この小学校は、3年間の文科省指定を受け、小学校での情報科について研究を進めています。主に、幼稚園や小学校の段階でコンピュータなどの情報機器の操作能力を身につけるためのカリキュラムを幼小連携で取り組んでいます。昨年11月に研究発表が行われ、その成果が報告されました。幼稚園の活動は、あまり詳細に参観できなかったのですが、子どもたちはコンピュータを意識せず、遊びの中に取り入れ、マウスをうまく使っていました。小学校では、低学年からマウスやキーボードなどの操作、ソフトウェアの活用が段階的に行われているため、高学年の児童の多くは、学習道具の一つとして使いこなせる力がついているように感じました。特に、交流学習で利用していた共同編集用のソフトウェアは、先方の学校と情報を共有しあいながら、学習成果の交換が進められていました。また、テレビ会議システムの活用も、円滑に行われ、メディアが学習の中に溶け込んでいるという印象でした。

共同編集用のソフトウェアとテレビ会議を併用した交流学習で、児童に必要になってくる情報機器の活用に注目すると、マウスやキーボードだけでなく、ネットワークを介したソフトウェアの理解やテレビカメラの操作など多くの操作能力が必要になってくることが分かります。しかも、単に操作するだけでなく、ソフトウェアを使った有用な情報の表現や、情報交換の方法、カメラに向かっての話し方など、さまざまな練習と訓練が必要になってきます。

この学校では、これらを各学年に毎週15分~30分の「情報科」を設置し、段階的に身につけるカリキュラムを開発していました。また、各教科の中にも積極的に情報機器の活用を取り入れた計画を立てていました。このように、学校全体で学年が連携しながら、ときには幼稚園や中学校と連携しながら系統的なカリキュラムを立てることが必要です。いや、学校に課せられた責務かもしれません。

上記で紹介したのは、指定校としてのカリキュラムなので、そのまま他の学校で適用することは難しいかもしれません。

さて、情報機器の操作能力だけが高まればいいのでしょうか。そうして身につけた操作能力が、児童・生徒の学習活動を増幅し、学びを支援しているかということに着目する必要があります。次回は、児童・生徒の能力を増幅したり、学びを支援するメディアの活用について考えてみたいと思います。

(2005年2月掲載)

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