ICT活用教育のヒント

「教育の情報化とIT活用教育」コラム 原克彦

子どもに必要な情報活用能力2

情報・メディアを活用するための学び方 高等学校編

最近、小学校と高等学校での研究授業を数校で参観する機会を得ました。

いずれも「情報教育」を研究テーマにした授業です。そのいくつかを紹介しながら、情報・メディアを活用するための学び方について考えていくことにしましょう。

高等学校では、地域の企業の協力を得て日頃授業では聞けないような最先端の情報技術を分かりやすい教材と講義で理解するものでした。この授業はCEC(コンピュータ教育開発センター)が進めている産業協力情報授業の一つです。

内容は、GPS(global positioning system、汎(or全)地球測位システム)やGIS(geographic information system、地理情報システム)の仕組みや違い、その特徴と活用範囲などを専門家の解説で理解することから始まりました。

授業者が学校の先生ではなかったので、プレゼンテーションにやや難がありましたが、資料は充実しており、画面を見ながら解説を聞いているとその仕組みがよく分かるように工夫されていました。単に解説に終わるのではなく、授業を提供している企業が開発したGIS関係のソフトウェアを利用した演習も含まれていました。演習では、自分の住所や電話番号の局番などから自宅付近のさまざまな地図情報が得られる仕組みを体験できるように構成されていました。

また、この授業の発展として、携帯GPSによって学校の位置を確かめ、GISと組み合わせて使う方法などを実演し、その使い方の可能性を考える授業も含まれていました。

新しい技術を体験することによって、学習者は、他の利用の可能性などについてアイデアを持つようになります。知識だけではなく、体験することでその仕組みをより具体的に理解し、さらなる発展へとつなぐ、興味深い授業構成でした。内容的には難解でしたが、この授業はとても円滑に進んでいました。画面に出てくる用語や解説者の使う用語は、かなり専門的なものも多かったのですが、受講している生徒のほとんどは、解説者の方を向き、熱心に聞いていました。そう、人からの情報をうまくキャッチする姿勢ができていたのです。

また、相当難しいGISソフトウェアに対しても、多くを質問することなく使いこなしていました。キーボードの操作スキルはもちろんのこと、初めて触れるソフトウェアに対する操作センスも身に付いており、これまでいろいろなソフトウェアを体験することをとおして身に付いた成果が見られたように感じました。

このように、情報やメディアを活用する力を身につけるには、話を聞くだけでなく、具体的な操作や演習を通して身近な課題を解決しながら進めていくことが必要だと考えています。

一方、小学校の公開授業は、操作スキルを高めることを通して情報教育を進める小学校と、国語的な情報活用の基礎力を育てることを通して情報教育を進める小学校の2校の公開授業を参観する機会がありました。それぞれ、情報教育に熱心に取り組んでいる小学校です。

次回は、この2校を紹介しながら小学校における、情報やメディアを活用するための力をつけるための学習について考えます。

>産業協力情報授業
http://www.cec.or.jp/koubo04/sangyo_saitaku.html

(2004年12月掲載)

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