ICT活用教育のヒント

「教育の情報化とIT活用教育」コラム 原克彦

子どものための情報教育2

(2)子どもを取り巻く情報環境

インターネット上にはさまざまなゲームがあることを、皆さんご存じで しょうか?自分で好きなゲームを自分自身のコンピュータに読み込んで一人で楽しむものから、インターネット上の仲間とリアルタイムで対戦するものまで、その内容は多種多様です。中には大勢の仲間と攻略法を相談しながら相手と対戦するものや、ゲーム中に利用するアイテムの交換や売買するものまであります。

これらのゲームに参加している人の中には、子どもたちもいます。

保護者の知らないところで、会ったこともない人たちと交流しながらゲームを楽しんでいることも考えられます。中には「サロン」が設けられ、他者のゲームを観戦しながら意見を交換することや、対戦者を待つような仕組みもあります。

このような場を知らない人からすると驚きの現場かもしれませんが、その中で楽しんでいる人にとっては、日常的な交流の場になっています。

さて、総務省の調査によると、平成14年末に家庭に普及している情報通信機器の保有率は、携帯電話の86.1%をトップに、パソコン71.7%、FAX50.8%となっています。また、インターネットに接続可能なテレビゲームや情報家電が新しく登場し、その普及率はそれぞれ11.0%と3.2%となっています。携帯電話やパソコンは、インターネットに接続して利用している場合が含まれていますので、情報通信機器と言えば、インターネット対応ということが考えられます。

このように、家庭内ではインターネットの利用が今後増加していくことは間違いなく、子どもたちはこのような環境で生活をすることになります。そして、携帯電話やインターネットなどを通じた子どもの情報環境の激変に伴う問題行動が増加することも、容易に想像できます。最初のゲームの場で遊んでいる子どもたちの行動をどのようにとらえるかは、意見の分かれるところかもしれません。

このことを踏まえて、e-Japan戦略Ⅱの分科会では、『特に、子どもの情報環境の観点からみると、IT社会で生きていく力が不十分な段階でIT社会の大海に投げ出されることによる悪影響が懸念され、受発信の両面での検討が不可欠となる。そこでフィルタリング、アクセス制御(発信するときに相手を選べる)、認証技術、セキュリティ、プライバシー保護政策が必要になる。』という報告が出ています。子どもを取り巻く情報環境に対する、大人たちの適切な対応と指導が必要だと言うことです。

このように、子どもたちを取り巻く情報環境は、情報社会を構築している大人が創り出しているものであり、その中での生活を余儀なくされている子どもたちを指導し、保護するのもまた大人であることを忘れてはなり ません。しかし、その対策や教育の内容が、情報機器の普及スピードに追いついていないのも確かです。もちろん、情報環境はこのような情報機器だけでなく、新聞や雑誌などこれまでから利用されてきたさまざまなメディアを含んで考えなければなりません。

次回は、子どもに必要な基礎的な情報活用能力について考えることにします。

(2004年6月掲載)

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