ICT活用教育のヒント

「教育の情報化とIT活用教育」コラム 原克彦

社会人のための情報教育

みなさんが毎日生活しているさまざまな空間を見回してください。そこには、テレビや新聞、ラジオ、携帯電話やコンピュータなど、さまざまなメディアが氾濫しています。情報を一方的に伝えるだけのものもありますが、それらのメディアは、必ず「情報」をやりとりしています。

すなわち、「情報」を用いて、コミュニケーションをはじめ、商品の売買や娯楽などを行っています。その「情報」を「適切に扱える」か否かによって、生活や経済活動に大きな差が出始めています。

社会で働いている多くの大人たちが、これまでの学校教育では受けてこなかった「情報」を「適切に扱う」力が、今の社会では必要になってきているのです。そのいくつかを考えてみることにしましょう。

ひとつは、自分や相手にとって適切に(都合良く)情報を扱うことです。課題や目的に応じて自分に必要な情報を集め、加工や編集をして課題を解決するような情報の取り扱いができる力(情報活用の実践力)が必要なことは、誰もが理解できます。

私たちが、学校教育で身につけたことは、新聞やテレビなどを利用して得た情報をまとめたり発表したりする程度でした。いや、それすら授業として経験していない大人の方も大勢います。さらに今日では、インターネットなどの双方向情報通信ネットワークをうまく利用することが必要になってきています。

このような新しい力を身につけるためには、やはり研修や講習に参加したり、恵まれた職場環境で経験的に身につけることが必要です。

次は、相手に迷惑をかけないように「適切に」情報を扱うことです。そのためには、情報を扱う上でのルールを理解し、モラルを身につけることが必要になってきます。ルールは聞いたり教えてもらったりすることで理解できるものですが、モラルは一朝一夕で身に付くものではありません。ましてや、今まで何の意識もせずに行ってきたことが、実は「著作権」に関する法規に違反しているような場合は、なかなか正しい行動に適応することは難しいものです。

このほかにも、相手のことをよく考え、目的や内容に応じた「適切な」メディアを選択することなども、「情報」を扱う上で必要になってきます。要するに、コンピュータや携帯電話などの情報機器を操作するためのスキルを身につけることを含めて、適切に情報を扱うことができる真の「情報スキル」を、社会人が身につけるための教育が必要ではないかと思います。

これから情報教育を学んでみようという社会人の方は、上のようなことが少しでも記述されている書物や講座を選んでください。次回は、先生のための情報教育を考えます。

(2004年3月掲載)

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