ICT活用教育のヒント

学校の情報化を進める 安達一寿

学籍処理の観点から見た情報の流れ

業務から見た情報の流れ

校種によって若干の違いはあると思いますが、生徒募集活動は学校の中で重要な業務となってきました(実際多くの大学では、ほとんど一年中入試や広報業務を行っている状況です)。

入試業務の流れを簡単に示すと以下のような流れになります。

  • 願書の受付・登録作業
  • 試験の実施、成績処理、判定資料作成
  • 合否判定
  • 合否関連書類作成
  • 入学手続き者登録、学籍関連データの入力

この入試業務によって、新入生のデータが確定します。ですから、この入り口からしっかり情報化を進めることが重要です。

また、これに続く教務業務の大まかな流れは以下のようになります。

  • 新入生の登録、名簿作成
  • 学生証、在学証明など書類の発行
  • 履修登録
  • 定期考査などの実施
  • 学期・学年末成績処理
  • 通知表、調査書の発行
  • 指導要録作成
  • 卒業判定・卒業処理
  • 年度末更新

これらの業務の個々の処理は、独自のものがありますが、全体として見た場合には、一連の流れの中でデータが流れていくことになります。

情報化推進のためのポイント

この個々の業務の中で、すでにコンピュータを使って処理をしている学校も多いと思います。学校の情報化を進める上での検討点としては、これらのデータが個々の業務間で連続的な流れの中で処理されているか、またデータの処理にあたる教職員間で適切な形で情報が共有されているか、ということがあります。

一度入力すれば済むデータを別々に入力しているとか、欲しいデータがすぐに手に入りづらい状況があるとしたら、これはどこかに問題点・改善点があることになります。

利用するデータの流れの整理、個々の業務の見直しによる無駄の発見ができれば、改善点が見えてきます。また、データの流れを整理する場合には、必ずしも直線的な流れだけではないことも考慮します。

学校の状況に合わせた方策を

これら学校の業務を円滑に進めるために、市販ソフトで学校用のものも発売されています。このようなソフトを利用することも、改善には役立つ場合が多いですが、それぞれの学校の状況に合っているか、コストに見合う労力の軽減や機能が備わっているか、など慎重に見極める必要があります。

一度導入してしまうと、なかなか後戻りはできません。また、学校の場合異動もありますので、どの学校でも共通の考え方で業務に当たれるシステムの必要性も感じます。

お金をかけないということであれば、日頃使っているアプリケーションソフトを工夫して利用することで、情報化を進めることも可能です。この場合は、個々の業務間でのデータの受け渡しの方法や役割分担を明確にしておく必要があります。また学校によっては、こうしたソフトを教職員が自作して用いているところもあると思います。オーダーメイドになるので、学校の状況に合っている反面、その教職員がいないと使い方がわからなくなる場合がある問題もあります。

とはいっても、学校によってそれほど業務内容に違いがあるわけではありません。学校用の共通基盤を作ることの必要性を感じています。

(2004年9月掲載)

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