ICT活用教育のヒント

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副校長先生・教頭先生も情報化の学校CIO!

校長先生とICTの経営戦略を練る

副校長先生・教頭先生は校長先生とともに、教育の情報化の学校CIO(Chief Information Officer ) の一員です。校長先生のICTの経営戦略を理解しつつも、自分自身が学校CIOであることの認識を持つことが大切です。

校長先生の中には、ICTに精通した方もいますが、どちらかというとICTに苦手意識を持つ方も多いようです。これからの学校経営を考えると、教育の情報化は教育課題の一つであることは明らかです。校長先生がICTに精通しているか否かは別にして、副校長先生・教頭先生自身が学校ICT化の戦略を校長先生と一緒に練る技量は要求されてきます。

そのためには、文部科学省や総務省、経済産業省が進めている学校ICT化の施策やビジョンを知る必要があります。

国のICT施策やビジョンを知る

文部科学省から、平成22年10月「教育の情報化に関する手引」そして、平成23年4月「教育の情報化ビジョン~21世紀にふさわしい学びと学校の創造を目指して~」が公表されました。

「教育の情報化ビジョン」では、「教育の情報化に関する手引」を踏まえ、「教科指導における情報通信技術の利用」「校務の情報化」、学びのイノベーションなどの「総合的な実証研究の実施」など、2020年に向けた教育の情報化の展望が明らかにされています。

【学びのイノベーション】

■学びの推進基盤の確立
●学びの場における情報通信技術の活用実証研究
  • 学校種、発達段階、教科等に応じた効果・影響の検証
  • モデルコンテンツの開発
  • デジタル教科書・教材、情報端末などを利用した指導方法の開発
  • 一人一台情報端末に必要な機能の選定・抽出 等
■学びの知的基盤の確立
●教育の情報化推進体制の整備
  • 国内の情報通信技術活用好例等の収集・普及・促進
  • 教育の情報化の実態に関する調査等

このような国の情報化の流れを副校長先生・教頭先生が知ることは、自校の情報化の課題や将来に向けての戦略を考える上で重要なことです。

学校管理職のリーダーシップの要件

リーダーシップとは、「ビジョンに向けて引っ張っていく力」と理解したらどうでしょうか。

そのためには、自分なりの「ビジョンを持つ」ことがまず大切です。では学校管理職としてのリーダーシップの要件とは、

  1. 人間的な魅力
    学校を刷新していく情熱、意欲、実践力、使命感
  2. 良き教育者
    教育者としての経験と識見
  3. 管理能力
    仕事の手順を立て、仕事を分担させ、その結果を評価する。危機への適切な対応

があげられます。これらの要件を学校ICT化と関連づけて考えてみましょう。

まず、「新しい学び」を保障する学校をどう構築していくかという「ビジョン」を持っているかということがあげられます。OECD(経済協力開発機構)では、これからの「知識基盤社会」の時代を担う子どもたちにとって必要な能力として、「社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する能力」「多様な社会グループにおける人間関係形成能力」「自律的に行動する能力」を主要能力(キーコンピテンシー)の3つにあげています。「社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する能力」に「情報を活用する能力」なども含まれています。子どもたちに「生きる力」を育成する上で、学校CIOの果たす役割はとても大きいのではないでしょうか。

さらに、学校の情報化は管理職だけではできません。誰にどのような仕事を分担してもらうか、そして、その成果を評価しつつ、学校全体の成果としていくことが求められます。

情報担当・ICTリーダーへの指導と助言

現在の学校組織には、情報担当とか、ICTリーダーという係を置いている場合が多いと思います。学校によっては、教務主任などが兼ねている場合や、新規採用教員に担当してもらったりとさまざまだと思います。学校のICT化の仕事がすべて、情報担当の先生に行き、その先生がパンクしないように副校長先生・教頭先生の指導と助言が重要です。

そのためには、情報担当・ICTリーダーを支える組織を作ることも一案です。各学年から1名メンバーを出してもらい、校内に情報部会のようなものができると、学校全体のICT化を進める上で効果的です。その部会の先生を中心に、日常的な簡単なトラブルには対応できるようになるとベストです。

さらに、情報担当・ICTリーダーの人には、校外のICTに関わるセミナーや研修会に積極的に参加してもらい、新しい情報を校内にどんどん伝えていただくことも大切です。

副校長会・教頭会での情報の共有を!

ただでさえ毎日膨大な事務量との闘いをしている副校長先生・教頭先生です。定例の副校長会・教頭会も議題がビッシリだと思います。学校の情報化についての情報を交換する時間など無いと思われます。

しかしながら、学校の情報化の進展はこれからも急ピッチで行われるでしょう。学校CIOの一人として、副校長先生・教頭先生同士の情報の共有を図る方法を模索して欲しいと思います。

(2012年1月掲載)