ICT活用教育のヒント

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校長先生がICTの経営戦略を!

短期・中期のICTの経営戦略を練る

教育の情報化の統括責任者である学校CIO(Chief Information Officer)は校長先生です。

校長先生自身が必ずしもコンピュータに精通していなければならないことはありませんが、ICTの経営戦略を持つことは重要です。

経営戦略の初めは、自校の情報化の実態把握と課題を明らかにすることです。

そして、今あるハードや教員の意欲をどう生かすかという発想で経営戦略を練ることが大切です。

例えば、ハードの面も活用の面でも課題が多い学校では、初年度は、「校内研修の研究授業では必ずICTを活用する」という目標を立て、研究授業を行う教員をサポートする体制をつくる。

2年目は、全員の教員が、学校公開や研究授業でICTを活用した授業を公開する。そのためのサポートをどうするかを具体化する。

3年目は、ICTの活用を児童生徒の活動にまで広げる。その実践を地域や他の学校にも公開するなど。

まずは校長先生が率先して取り組む

自校のICT教育を前進させるために重要なことは、教育委員会のICT担当者やICTのメーカーなどの協力を得るような戦略を考えることです。また、隣接する学校同士で情報交換をして、できそうなところはすぐに取り入れることも大切です。自校のリソースだけでICT教育を進めようとすると息切れを起こしてしまいます。

今はネットワーク社会です。校長先生自身がネットワークを広げる気持ちを持ち、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

その方法の1つとして、自校の先生に参加して欲しいと思うイベントや研修会には、率先して校長先生自身が参加してみることです。その体験をもとに、自校の先生に次回のイベント等に一緒に参加するよう依頼すれば、先生の中には校長先生の意欲を感じ取ってくれ、「私も参加してみようか」という気になってくれる人も必ずいるものです。

校長先生としては、自分が参加したイベントや研究会で名刺などを交換し、自校の校内研修会へ講師として来てくれそうな人を探すのもよいでしょう。どうネットワークを作るかは校長先生の意欲と力量が試されることになります。ネットワーク作りは、1つの学校を預かる者としての醍醐味かも知れません。

学校のCIOの資質・能力を磨く

【学校CIOの業務内容】

  1. 学校の情報化戦略の立案・実行
  2. 校内情報環境の整備
  3. 校内研修の企画・実施
  4. 学校全体のICTカリキュラムの編成

【学校CIOの資質・能力】

  1. 学校経営能力(マネジメント能力)
  2. 情報化のビジョン構想力
  3. 戦略的リーダーシップ
  4. 現状分析・評価能力

最初から、学校CIOの業務内容を熟知し、学校CIOの資質や能力を持っている校長先生はそうはいません。自分の得意分野を生かしながら、実践を積み重ねていく中で、学校CIOとしての資質・能力も身に付いてくるのではないでしょうか。

学校の幹部職員への啓発

副校長・教頭、各委員会を通して理解と協力を得ていく学校の情報化は校長先生1人で実現することはできません。学校の組織としての対応が求められます。まずは、副校長、教頭先生に校長先生のICT戦略の概要を理解してもらいましょう。

さらに、教務主任や生活指導主任、学年主任や研究主任の先生に対して、企画委員会や運営委員会を通して校長のICT戦略を示し、理解と協力を得るようにします。

その時、自校の児童生徒にとってICTの活用がなぜ必要なのかを提示しなければなりません。ICTは教育を充実させる単なる手段の1つに過ぎません。しかし、それは使い方によっては将来にわたって1人ひとりの児童生徒に大きな価値を生む可能性があります。そのことを自校の先生方に熱っぽく説くことも大切だと思います。

ICTのキーパーソンを見つける

校長先生自身がICTのオーソリティーになる必要はありませんが、「挑戦している」という姿勢を示すことは大切です。その時、校長先生自身の相談役になってくれる先生が自分の所属する学校に見つかるとよいでしょう。

校長先生が自校の先生に聞きながら、新しい事に挑戦している姿は、他の先生への刺激となるはずです。また、お互いに教えあう雰囲気を醸成する上でも効果があります。小さなことでも、「これどうしたらいいの?」という問い掛けが学校の雰囲気を変えていくことになります。「なんだ、校長先生もそんなこと知らないのか?」ということが先生方の安心感や意欲につながっていきます。

(2011年12月掲載)