授業でのICT活用

複式学級におけるタブレット端末の有効活用

授業の様子
本時のねらい  飲料水にかかわる対策や事業について、班で追究してきた内容をマッピングで整理して、これまで追究してきた内容を再構成することができる。
 また、マッピングしたことから、リーフレットに載せる内容を決めることができる。
授業の実際  これまでに、班ごとに浜松市の飲料水にかかわる対策や事業について、「NHK for School」や副読本を用いて追究をしてきた。単元の終末には、班ごとに節水プランリーフレットを作り、家族に伝える。
 本時では、これまで追究してきたことを[マッピング]機能を使って整理した。児童たちは、短い言葉でカードに一つずつ入力し、整理しながらつなげていくことで、追究してきた内容を再構成し、再確認していた。これらの活動を通して、働いている人の努力や水の循環などについて目を向けていきながら、節水プランリーフレットに掲載する内容を決めることができた。
単元計画(全11時間)
第1時 課題をつかむ(見通しをもつ)。
第2時 班で、追究計画を立てる。
第3~6時 班で、追究活動をする。
第7時 節水プランを検討する。
第8、9時 集めた情報をマッピングで整理する。(本時)
第10、11時 リーフレットにまとめる。

本時の展開

学習の流れ 主な学習活動 指導のポイント
(タブレット端末活用場面)

入力する

追究してきたことをカードに入力する

  • なるべく意味が分かる程度の短い言葉で入力させる

情報を整理する

追究してきた情報をマッピングする

1班で協働してマッピング。情報の整理と分かり直しに生かす

比較する

他の班のマップと自分の班のマップを比較する

2[画面一覧]から他の班の状況をつかむ

修正する

つなげ方、表し方などをブラッシュアップする

3お手本となる班のマップを[投影]して共有

まとめ

リーフレットに掲載する内容を検討する

  • カードのつながりをもとに、リーフレットに掲載すべき内容を考えさせる

タブレット端末活用のポイント(効果と児童生徒の反応)

情報の整理と分かり直しにマッピングを活用
マッピング

言葉と言葉をつなぐことで間違いや誤解に気づいたまず、学習した内容を、カードに短い言葉で入力した。そして、同じまとまりの中で、言葉をつなぎながら、マッピングをした。マッピングすることで、自分たちが理解してきたことが可視化され、追究してきた内容に間違いや誤解がないのかを確認した。また、机間指導の中で、教師が言葉のつながりの関係や意味を問い、班全員が答えることで、思考を再構成することができた。

画面一覧から他班の状況をつかむ
学習者機画面の一覧表示、投影

画面を参考にして話し合う児童各班で作成しているマップの画面を[一覧表示]にして、教員機や大型ディスプレイに投影した。他の班の画面を一覧表示しておくことで、他の班のマップを参考にすることができた。リーフレット作りの前時の授業であり、追究した内容を整理する段階なので、他の班と比較して、不足している言葉や他の班にない自分たちの良さを見つけることができた。

お手本となる班のマップを投影して共有
学習者機画面の投影(発表)

お手本となる班の画面をボタン一つで投影できるある程度、マップができた段階で、先に進んでいて内容的にお手本となる班のマップを紹介した。紹介したのは、カードのつなげ方が一つのカテゴリーに限定されず、他のカテゴリーともつながっているもの。さらに、カテゴリーの名前のつけ方もリーフレットの見出しを意識したものになっているマップである。他の班も追究してきたことを見直し、言葉をつなげ直すことができていた。

こんな場面でも使える!実践を振り返って

マッピングすることで、追究してきた内容の理解を可視化し、
再構成することができた

これまで追究してきた内容を個々でワークシートにメモをさせてきたが、言葉を羅列して書いている児童が多く、内容を整理する必要があった。そこで、追究してきた内容を整理する目的で[マッピング]機能を使用した。マッピングをすることで、追究してきた内容の理解を可視化して、再構成することができた。学習内容の理解を確かめるのにも有用であった。

(2018年3月掲載)