授業でのICT活用

教材を読み、心に残ったことを伝え合おう

授業の様子
本時のねらい

夢や目標は、よりよく生きるための原動力になる。夢に向かって努力したり挑戦したりすると、活力が湧き、生きる喜びを感じ得る。希望をもち、前向きに過ごす毎日こそが素晴らしい。しかし、今、私たちの生きる時代は、夢をもちにくい時代と言われる。そんな時代だからこそ、夢の素晴らしさを実感して、よりよく生きるために夢を抱こうと思える、そんなきっかけとなるような授業を行いたいと考える。

授業の実際

導入では、[投票]機能を活用した。「夢をもっている・いない」について学級で人数把握をしたことで、「夢の力とは?」「夢が私に与えてくれるものは何だろう?」という本時の課題への意識を高めることができた。展開の教材を児童に提示する際には、教材をスライドにして[教員機画面送信]機能を使って、一人一人の端末画面で文字と写真がよく見えるようにした。児童は集中して教材を読み、内容の理解を深めていた。その後、自分の心に残ったことについて、[発表ノート]を用いて交流を行った。友達の多様な意見に触れることで、課題に対する自分の考えが深まった。その時に書いた感想にも、夢を生きることへの前向きな言葉が書かれており、本時のねらいを達成することができていた。最後は、どんな生き方も素晴らしいというような内容のCMを視聴して、余韻をもって授業を終えることができた。

単元計画(道徳1時間+総合10時間)
第1次
(道徳)

・ 夢が私たちに与えてくれるものは何だろう?(本時)

第2次
(総合)

・ 将来、どんな職業があるのだろう?

・ 自分は将来どんな職業につきたいのだろう?

・ 働いている人から、話を聞こう。

・ 将来に向けて、自分の夢を描こう。

本時の展開

学習の流れ 主な学習活動 指導のポイント
(タブレット端末活用場面)

1. 導入
本時の課題を
つかむ

・ 自分が夢をもっているかどうかを確認して、課題意識をもつ。

1[投票]機能を活用してアンケートをとる。

2. 展開前段

・ 教材文を読み、考える。

・ 自分が一番心に残った場面を選び、それについてタブレット端末で感想を書く。

・ 書いたものを全体で交流する。

・ 交流をもとに夢についての認識を深める。

2スライドにした教材を[画面送信]で、学習者機のタブレット端末に映しながら、読む。

3[発表ノート]を使い、感想を書く。書いたものを[一覧表示]にして傾向を把握する。同じカテゴリーごとに[画面比較]をしながら全体で交流する。

3. 展開後段

・ 教師の話を聞く。

・ 自分自身を振り返り、学習の感想を書く。

・ 教師の話も2と同様に、スライドにしてタブレット端末に映す。

4. 終末

・ CMを見る。

タブレット端末活用のポイント(効果と児童生徒の反応)

アンケート結果から、課題意識をもつ
投票

「夢をもっている・いない」を[投票]機能で質問

「夢をもっている・いない」を、[投票]機能を用いてアンケートを行った。予想通り、半分半分の結果になった。両者を比較したことで、そこから、「夢の力とは?」「夢が私に与えてくれるものは何だろう?」という本時の課題への意識を高めることができた。

一人一人に教材を配付
教員機画面の送信

全学習者機画面に教材を映し出して教材を朗読

道徳では教材提示が大切である。それは教材の中にねらいとする道徳的価値が含まれているからである。ねらいを達成するためにも、児童の心に響く教材提示が必要となる。今回は本を教材として扱った。そこで児童に提示したいページを予め教員機でスライドにまとめ、[教員機画面の送信]機能を使って児童一人一人のタブレット端末画面に送信した。一人一人のタブレット端末画面に映し出したことで、児童はカラーの写真で、教材を味わうことができた。

意見を発表ノートで交流
発表ノート、学習者機画面の一覧表示、比較表示

教材文ごとに背景を色分けさせ、感想を把握しやすくした

課題に対する自分の考えを[発表ノート]に書き、交流した。教師の方で学習者機画面を[一覧表示]にして、児童の意見を予め把握したことで意図的指名に役立てることができた。その際、教材文ごとに背景の色を指定したことで、一覧表示の際に意見の整理・分類・比較がしやすくなった。相違点や共通点を考えられたことで、ねらいにせまることができた。

こんな場面でも使える!実践を振り返って

[投票]機能と[発表ノート]機能の組み合わせは多くの場面で活用できる

[投票]機能と[発表ノート]機能の組み合わせは多くの場面で活用できる。話合い活動の充実が期待される中、[投票]機能を使うことで、自分の立場が明確になり、相手との認識の違いを視覚的に捉えることができる。そこで、相手を納得させるような理由を考えようと投げかけることで、自分の意見をしっかりともつことができる。さらに、文字の色を工夫するなどして、[学習者機画面の一覧表示]機能を使えば、比較・分類・整理などができ、ねらいの達成に結びつく活動が可能になる。

(2018年1月掲載)