授業でのICT活用

補修の基礎縫いを活用した
タブレットケース製作

授業の様子
本時のねらい
  • ミシンを安全に使い、ミシン縫いの準備ができる。
  • ミシンを使って衣服の補修ができる。
授業の実際 前回までの学習では、補修の必要性と基礎的な手縫いの実習に取り組んだ。なみ縫い、返し縫いなどは、すでに小学校で学習している。しかし、学習から期間が開いており、細かい作業であるため映像や出来上がりの見本などで各自が縫い方を確認し作業に取り組んだ。また、まつり縫いは、一度の説明や実習では習得が難しい生徒も多い。説明を聞き理解したと思っていても、実際、作業をするとわからない場合もあり、各自が確認し作業に取り組むことは学習内容の理解や定着に繋がっている。
本授業のミシンの使い方についても、小学校で作品製作を通して学習をしている。2人のペア学習でミシンの使い方を確認し学習への意欲も高めたいと考え、生徒に協力をしてもらい、ミシンを使う際の作業ごとの映像を作成した。生徒同士、ペアで教え合ったり映像で確認したりして取り組んでいた。基礎縫い学習後のタブレットケース製作においても教具として活用ができるだけでなく、生徒が主体的に作品の製作に取り組むことができる。
単元計画(全10時間)
第1時 衣服の補修の必要性
第2時 補修の基礎実習(なみ縫い、返し縫い、小学校の学習の振り返り)
第3時 補修の基礎実習(まつり縫い、ボタン付け)
第4時 ミシン縫いによる補修(ミシンの使用について)(本時)
第5時 基礎縫いを活用したタブレットケース製作(5~10時間)

本時の展開

学習の流れ 主な学習活動 指導のポイント
(タブレット端末活用場面)
導入

・前回までの補修の基礎(手縫い)を振り返る。

・実習時にタブレット端末で撮影した補修の基礎(手縫い)について確認する。

展開

・ミシンを活用した補修方法について考える。

・2人ペアで、ミシンを用意しお互いに確認しながら実習する。

・ミシンの使い方(上糸、下糸の準備)について復習する。

・準備ができたら、練習布を縫う。



・ミシンを片付ける。

・小学校での学習を振り返らせる。

・2人のペア学習にし、お互いに使い方を確認しながら実習を行うようにする。

・ミシンの使い方について、小学校の学習を振り返らせる。

1生徒が行う様子を動画で撮り、全体の見本にする。

3下糸の準備について、教師の手元を映し出す。

3映像を見ながら作業する。

まとめ

・本時の振り返りをする。

・次回のタブレットケース製作について、連絡をする。

・ミシンの使い方について振り返る。

・用具や材料など、持ち物の連絡をする。

タブレット端末活用のポイント(効果と児童生徒の反応)

生徒の作業を映像で共有する
カメラ、投影

上糸、下糸を準備する生徒の手元を撮影し、共有ミシンの使い方の基礎を、生徒に実践させ、その様子をカメラで撮影。大画面に投影して生徒と共有した。生徒は映像を真剣に見ていた。また、撮影した映像は以後の授業での教材としても活用した。

模範作業を共有する
カメラ、投影

模範作業を[カメラ]で撮影して拡大提示教師の手元を大きく拡大して映像化し、プロジェクタで提示した。生徒の理解を深め、技能を高めることを意図した。

はじめは、生徒に撮影させていたが、教師側の方向から撮影したほうが、実際の生徒の見え方と同じになるためわかりやすいことに気づき、タブレット端末をキーボードと合体させて手元に固定。手元の動きを撮影・録画しながら、大きく映し出した。

映像を見ながら作業する
投影、再生

撮影した模範作業の動画をループ再生しながら机間指導教師の模範作業をループ再生しながら、生徒に作業を行わせた。作業手順がわからなくなった場合は、教室前方の映像を見ながら作業を進められるため、作業がスムーズに行われた。

こんな場面でも使える!実践を振り返って

生徒がアクセスできる共有フォルダに保存すれば、個に応じた作業が可能に

教師の模範作業を映像化し、生徒が作業を行う際にループ再生したことは、生徒がわからない場面を見ながら作業を進めることができるため、大変有効な活用方法だった。この映像を生徒が見られる共有フォルダに入れて授業で活用していくと、さらに生徒たちは個に応じた作業ができるようになると思われる。また、生徒同士で実技の様子を撮影し合うようにすれば、技能の評価活動にも生かせる。

(2016年12月掲載)